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以下は、Emacsで特別な意味をもつ環境変数の、アルファベット順のリストです。これらの変数のほとんどは、他のプログラムでも使用されます。Emacsはこれらの環境変数がセットされていることを要求しませんが、セットされている場合はその値を使用します。
CDPATH
相対ディレクトリー名を指定したときに、指定したディレクトリーを検索するために、cd
コマンドにより使用されます。
DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS
D-BusサポートつきでEmacsがコンパイルされている場合、D-Busにより使用されます。通常これを変更する必要はありません。‘unix:path=/dev/null’のようなダミーアドレスをセットすることにより、D-Busセッションバスとの接続を抑止し、同様にD-Busセッションバスがまだ実行されていないときは自動的に開始します。
EMACSDATA
Emacsに含まれるアーキテクチャーに独立なファイルのディレクトリーです。これは変数data-directory
の初期化に使用されます。
EMACSDOC
ドキュメント文字列ファイルのディレクトリーで、Lisp変数doc-directory
の初期化に使用されます。
EMACSLOADPATH
Emacs
Lispファイルを検索する、コロンで区切られたディレクトリーのリスト20です。セットされている場合は、変数load-path
の初期値です(Lisp Librariesを参照してください)。空の要素は、load-path
のデフォルト値を意味します。たとえば‘EMACSLOADPATH="/tmp:"’を使用すると、デフォルトのload-path
の前に/tmpを追加します。リストの中間に空の要素を指定するには、‘EMACSLOADPATH="/tmp::/foo"’のように、2つのコロンを続けます。
EMACSPATH
実行可能ファイルを検索するための、コロンで区切られたディレクトリーのリストです。セットされている場合、Emacsは変数exec-path
(Shellを参照してください)を初期化するときに、PATH
(以下参照)に加えてこれをを使用します。
EMAIL
メールアドレスです。Lisp変数user-mail-address
を初期化するために使用されます。Emacsのメールインターフェースは、送信メッセージの‘From’ヘッダーにこれを使用します(Mail Headersを参照してください)。
ESHELL
シェルモードで、環境変数SHELL
をオーバーライドするために使用されます(Interactive Shellを参照してください)。
HISTFILE
ログインしている間のシェルコマンドが保存されるファイルの名前です。この変数のデフォルトは、Bashを使用している場合は~/.bash_history、kshのときは~/.sh_history、それ以外では~/.historyです。
HOME
ディレクトリーツリー上で、あなたのファイルがある場所です。チルダ(~)で始まるファイル名の展開に使用されます。MS-DOSでは、この変数のデフォルトはEmacsが開始されたディレクトリーで、そのディレクトリー名が‘/bin’で終わる場合、‘/bin’は取り除かれます。Windowsでは、HOME
のデフォルト値は、ユーザープロファイルディレクトリーのApplication
Dataサブディレクトリー(つまり通常はC:/Documents and
Settings/username/Application
Data。usernameはユーザー名)ですが、後方互換のため、C:/に.emacsがある場合は、かわりにC:/がデフォルト値になります。
HOSTNAME
Emacsが実行されているホストの名前です。
INFOPATH
コロンで区切られた、Infoファイルを検索するディレクトリーのリストです。
LC_ALL
LC_COLLATE
LC_CTYPE
LC_MESSAGES
LC_MONETARY
LC_NUMERIC
LC_TIME
LANG
そのユーザーの優先されるlocaleです。localeには6つのカテゴリーがあり、それぞれ環境変数で指定されます。ソートはLC_COLLATE
、文字エンコーディングはLC_CTYPE
、システムメッセージはLC_MESSAGES
、通貨形式はLC_MONETARY
、数字はLC_NUMERIC
、日時はLC_TIME
でlocaleを指定します。これらの変数の1つがセットされていない場合、そのカテゴリーのデフォルトは環境変数LANG
の値、LANG
がセットされていない場合は‘C’
localeになります。しかしLC_ALL
が指定された場合、これは他のすべてのlocale環境変数のセッティングをオーバーライドします。
MS-Windowsでは、Emacsを開始したとき環境でLANG
がまだセットされていない場合、Emacsはシステムワイドなデフォルト言語にもとづき、LANG
をセットします。MS-Windowsのいくつかのバージョンでは、これはコントロールパネルの‘Regional
Settings’でセットできます。
LC_CTYPE
カテゴリーの値は、デフォルトの言語環境(language environment)とコーディングシステム(coding
system)を選択するために、locale-language-names
、locale-charset-language-names
、locale-preferred-coding-systems
のエントリーにたいしてマッチされます。Language Environmentsを参照してください。
LOGNAME
ユーザーのログイン名です。USER
も参照してください。
MAIL
システムのメールinbox名です。
MH
mhシステムのセットアップファイル名です。MH-E in The Emacs Interface to MHを参照してください。
NAME
あなたの現実世界での名前です。これは変数user-full-name
を初期化するために使用されます(Mail Headersを参照してください)。
NNTPSERVER
ニュースサーバーの名前です。Gnusパッケージで使用されます。
ORGANIZATION
あなたが属する組織の名前です。Gnusパッケージで、ポストの‘Organization:’ヘッダーをセットするために使用されます。
PATH
コロンで区切られた、実行可能ファイルを含むディレクトリーのリストです。これは変数exec-path
を初期化するために使用されます(Shellを参照してください)。
PWD
セットされている場合、これはEmacsが開始されたときのデフォルトディレクトリーになるはずです。
REPLYTO
セットされている場合は、変数mail-default-reply-to
の初期値になります(Mail Headersを参照してください)。
SAVEDIR
新しいアーティクルがデフォルトで保存されるディレクトリーの名前です。Gnusパッケージにより使用されます。
SHELL
Emacsの中からプログラムのパースや実行に使用されるインタープリターの名前です。
SMTPSERVER
送信メールサーバーの名前です。これは変数smtpmail-smtp-server
を初期化するために使用されます(Mail Sendingを参照してください)。
TERM
Emacsが使用する端末タイプです。Emacsがバッチモードで実行されていないとき、この変数はセットされていなければなりません。MS-DOSでは、デフォルトは‘internal’で、これはその機種固有のディスプレーを扱う、ビルトインの端末エミュレーションを指定します。
TERMCAP
TERM
で指定された端末をどのようにプログラムするかを記述する、termcapライブラリーファイルの名前です。デフォルトは/etc/termcapです。
TMPDIR
TMP
TEMP
これらの環境変数は、変数temporary-file-directory
を初期化するために使用されます。これは一時ファイルを置く場所を指定します(Backupを参照してください)。Emacsは最初にTMPDIR
の使用を試みます。これがセットされていない場合、通常Emacsは/tmpにフォールバックします。しかしMS-WindowsとMS-DOSでは、かわりにTMP
、次にTEMP
、最後にc:/tempにフォールバックします。
TZ
これはカレントタイムゾーン(もしかしたらサマータイムの情報も)を指定します。MS-DOSでは、Emacsを開始したときの環境でTZ
がセットされていない場合、EmacsはDOSが返す国コードにたいして、適切なデフォルト値を定義します。MS-Windowsでは、EmacsはTZ
を使用しません。
USER
ユーザーのログイン名です。LOGNAME
も参照してください。MS-DOSでは、デフォルトは‘root’です。
VERSION_CONTROL
変数version-control
の初期化に使用されます(Backup Namesを参照してください)。
これ以降、“コロンで区切られたディレクトリーのリスト”という場合は、UnixおよびGNU/Linuxシステムの場合を指します。MS-DOSおよびMS-Windowsでは、DOS/Windowsファイル名にはドライブ文字の後のコロンが含まれるので、かわりにセミコロンでディレクトリーが区切られます。