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12.3.2 他のウィンドウアプリケーションにたいするカットアンドペースト

Xウィンドウシステム下では、プライマリー選択(primary selection)に、Xアプリケーションで最後に選択されたテキスト(通常はマウスのドラッグで選択される)が存在します。一般的に、このテキストは他のXアプリケーションにmouse-2をクリックして挿入することができます。プライマリー選択はクリップボードとは別のものです。プライマリー選択の内容は、より“脆弱”です。なぜなら、クリップボードは明示的な“カット”または“コピー”だけにより上書きされるのにくらべ、プライマリー選択はマウスでテキストが選択される度に上書きされるからです。

Xの下では、リージョンがアクティブ(Markを参照してください)になればいつでも、リージョンのテキストはプライマリー選択に保存されます。これは、そのリージョンの選択がマウスでドラッグやクリック(Mouse Commandsを参照してください)されたのか、キーボードコマンド(たとえばC-SPCをタイプしてからポイントを移動したなど。Setting Markを参照してください)なのかによらず適用されます。

変数select-active-regionsonlyに変更すると、Emacsは一時的にアクティブになったリージョン(たとえばマウスやシフト選択など。Shift Selectionを参照してください)だけをプライマリー選択に保存します。select-active-regionsnilに変更すると、Emacsはアクティブなリージョンをプライマリー選択に保存しません。

プライマリー選択をEmacsのバッファーに挿入するには、挿入したい場所でmouse-2 (mouse-yank-primary)をクリックします。Mouse Commandsを参照してください。

MS-Windowsはプライマリー選択を提供しませんが、Emacsは単一のEmacsセッション内で選択されたテキストを内部に格納することにより、これをエミュレートします。したがってWindowsでも、プライマリー選択に関するすべての機能とコマンドは、Xと同様に機能します。しかしこれは同一セッションにおけるカットやペーストなどの場合で、Emacsセッションと他のアプリケーション間では機能しません。