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デフォルトでは、複数ユーザーの活動を調停するためにRCSはロックを使用しますが、最初にファイルをロックしなくても変更をチェックインできる、厳密でないロック(non-strict
locking)と呼ばれるモードもあります。特定のファイルにたいして厳密でないロックに切り替えるには、‘rcs
-U’を使用します。詳細については、rcs
のman-pageを参照してください。
RCSファイルのバージョンコントロール状態を推論するとき、VCは最初にそのファイルのRCSバージョンヘッダー文字列を調べます(Version Headersを参照してください)。ヘッダー文字列がない場合、VCは通常、作業ファイルのパーミッションを調べます。これは速い処理です。ファイルのパーミッションが信頼できない状況もあるかもしれません。そのような場合はマスターファイルが調べられます。これはより高価な処理です。マスターファイルから判るのは、もしそのファイルにたいして何らかのロックがある場合、作業ファイルが実際にロックされたバージョンを含むかどうか、だけです。
vc-consult-headers
をnil
にセットすることにより、VCがファイル状態を決定するのにバージョンヘッダーを使用しないように指定できます。その場合、VCは常に、(それが信用できると思われる場合は)ファイルのパーミッションを使うか、マスターファイルをチェックします。
変数vc-mistrust-permissions
を設定することにより、ファイルのパーミッションを信頼すべきかの判断基準を指定できます。値がt
(常にファイルのパーミッションを疑い、マスターファイルをチェックする)、nil
(常にファイルのパーミッションを信頼する)、または1つの引数をとってその判断を行う関数です。引数はRCSサブディレクトリーのディレクトリー名です。その関数が非nil
値を戻した場合、パーミッションを信頼しません。作業ファイルのパーミッションが誤って変更されたのに気づいた場合、vc-mistrust-permissions
をt
にセットします。そうすればVCはファイル状態を決定するために、常にマスターファイルをチェックします。
VCがSCCSの配下にあるファイルのバージョンコントロール状態を決定する方法は、RCSとほぼ同じです。しかしSCCSのバージョンヘッダーは考慮しません。したがってSCCSを使用する場合、vc-mistrust-permissions
は効果がありますが、vc-consult-headers
は効果がありません。