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C.8 ウィンドウのサイズと位置にたいするオプション

以下は、Emacsの初期フレームのサイズと位置を指定する、コマンドラインオプションのリストです:

-g widthxheight[{+-}xoffset{+-}yoffset]]
--geometry=widthxheight[{+-}xoffset{+-}yoffset]]

サイズwidthheight(文字の列数と行数)、および位置xoffsetyoffset(ピクセル)を指定します。パラメーターwidthheightはすべてのフレームに適用されますが、xoffsetyoffsetは初期フレームだけに適用されます。

-fs
--fullscreen

スクリーンのサイズになるように、幅と高さを指定します。通常は、ウィンドウマネージャーによる装飾は表示されません(Emacsを起動した後に、F11 toggle-frame-fullscreenを使用して、この状態を切り替えることができます)。

-mm
--maximized

Emacsのフレームが最大化されるよう指定します。これは通常、そのフレームがウィンドウマネージャーによる装飾をもつことを意味します(Emacsを起動した後に、M-F10 toggle-frame-maximizedを使用して、この状態を切り替えることができます)。

-fh
--fullheight

高さがスクリーンの高さになるように指定します。

-fw
--fullwidth

幅がスクリーンと同じ幅になるように指定します。

--geometry’オプションでは、{+-}は、プラス記号かマイナス記号のどちらかを意味します。xoffsetの前のプラス記号はスクリーンの左端からの距離、マイナス記号は右端からの距離を意味します。yoffsetの前のプラス記号はスクリーンの上端からの距離、マイナス記号は下端からの距離を意味します。xoffsetyoffsetの値自体に正または負の値を指定できますが、それはこれらの意味を変更するものではなく、方向だけを変更します。

Emacsは、xtermがジオメトリーを解釈するのと同じ単位を使用します。widthheightは文字で数えられるので、大きなフォントは、小さなフォントより大きなフレームを作成します(プロポーショナルフォントを指定した場合、Emacsは幅の単位として、そのプロポーショナルフォントの最大幅を使用します)。xoffsetyoffsetはピクセルで数えます。

ジオメトリー指定で、すべてのフィールドを指定する必要はありません。xoffsetyoffsetの両方を省略した場合、ウィンドウマネージャーがEmacsフレームをどこに配置するかを決定するか、もしかしたらマウスでその場所を指定できるかもしれません。たとえば‘164x55’は、ウィンドウの幅が164(通常のウィンドウを横に2つ並べられる幅)で、55行分の高さを指定します。

デフォルトのフレーム幅は80文字で、デフォルトの高さは40行です。幅と高さの、どちらか一方、または両方を省略できます。ジオメトリーが整数で開始される場合、Emacsはそれを幅と解釈します。ジオメトリーの開始が‘x’でその後に整数が続く場合、Emacsはそれを高さと解釈します。したがって‘81’は幅だけを指定し、‘x45’は高さだけを指定します。

+’か‘-’で開始した場合、それはオフセットを示し、幅と高さの両方のサイズが省略されたことを意味します。したがって‘-3’はxoffsetだけを指定します(オフセットを1つだけ与えたとき、それは常にxoffsetになります)。‘+3-3’はxoffsetyoffsetの両方を指定し、フレームをスクリーンの左下に配置します。

Xリソースファイル(Resourcesを参照してください)で、任意またはすべてのフィールドにたいするデフォルトを指定できます。それらにたいしてフィールドを選択して、‘--geometry’オプションでオーバーライドできます。

モードラインとエコーエリアはフレームの2行を占めるので、初期のテキストウィンドウの高さは、ジオメトリーで指定した高さより、2つ少なくなります。非X-toolkitバージョンのEmacsでは、指定した数から、メニューバーの占める1行が引かれます。しかしX-toolkitバージョンでは、メニューバーは付加的で、指定された高さにたいして数えられません。ツールバーがある場合も、それは付加的です。

メニューバーやツールバーを有効または無効にすることにより、通常のテキストが利用できるスペースが変わります。したがって、Emacsがツールバーつき(デフォルト)で開始しされ、ツールバーがあることを前提にジオメトリー指定を処理して、それを初期化ファイルでツールバーを無効にしていた場合、あなたが指定したのと異なるフレームジオメトリーになるでしょう。ツールバーがないサイズを得るには、Xリソースで“no tool bar”を指定します(Table of Resourcesを参照してください)。そうすれば、Emacsは指定されたジオメトリーを処理するときに、ツールバーがないことを知ることができます。

--fullscreen’、‘--maximized’、‘--fullwidth’、‘--fullheight’のどれか1つを使用するとき、フレームが本当に“最大化”または“フルスクリーン”に見えるようにするために、変数frame-resize-pixelwiseを非nil値にすることを要求するウィンドウマネージャーがいくつかあります。

位置にたいする、プログラム指定とユーザー指定の両方を無視するようにできるオプションをもつウィンドウマネージャーがいくつかあります。これらのオプションがセットされている場合、Emacsはウィンドウを正しく配置するのに失敗します。