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文字は実際には整数なので、文字のプリント表現は10進数です。文字にたいする入力構文も利用可能ですが、Lispプログラムでこの方法により文字を記述するのは、明解なプログラミングではありません。文字にたいしては、Emacs Lispが提供する、特別な入力構文を常に使用するべきです。これらの構文フォーマットはクエスチョンマークで開始されます。
英数字にたいする通常の入力構文は、クエスチョンマークと、その後にその文字を記述します。したがって文字Aにたいしては‘?A’、文字Bにたいしては‘?B’、文字aにたいしては‘?a’となります。
たとえば:
?Q ⇒ 81 ?q ⇒ 113
句読点文字にも同じ構文を使用できますが、Lispコードを編集するためのEmacsコマンドが混乱しないように、‘\’を追加するのがよい場合がしばしばあります。たとえば開きカッコを記述するために‘?\(’と記述します。その文字が‘\’の場合、それをクォートするために、‘?\\’のように2つ目の‘\’を使用しなければなりません。
control-g、backspace、tab、newline、vertical tab、formfeed、space、return、del、escapeはそれぞれ‘?\a’、‘?\b’、‘?\t’、‘?\n’、‘?\v’、‘?\f’、‘?\s’、‘?\r’、‘?\d’、‘?\e’と表すことができます(後にダッシュのついた‘?\s’は違う意味をもちます — これは後続の文字にたいして“super”の修飾を適用します)。したがって、
?\a ⇒ 7 ; control-g, C-g ?\b ⇒ 8 ; backspace, BS, C-h ?\t ⇒ 9 ; tab, TAB, C-i ?\n ⇒ 10 ; newline, C-j ?\v ⇒ 11 ; vertical tab, C-k ?\f ⇒ 12 ; formfeed character, C-l ?\r ⇒ 13 ; carriage return, RET, C-m ?\e ⇒ 27 ; escape character, ESC, C-[ ?\s ⇒ 32 ; space character, SPC ?\\ ⇒ 92 ; backslash character, \ ?\d ⇒ 127 ; delete character, DEL
バックスラッシュが“エスケープ文字(escape character)”の役割を果たすので、これらのバックスラッシュで始まるシーケンスはエスケープシーケンス(escape sequences)とも呼ばれます。この用語法は、文字ESCとは関係ありません。‘\s’は文字定数としての使用を意図しており、文字定数の内部では、単にスペースを記述します。
エスケープという特別な意味を与えずに、任意の文字の前にバックスラッシュの使用することは許されており、害もありませんしたがって‘?\+’は‘?+’と等価です。ほとんどの文字の前にバックスラッシュを追加することに理由はありません。しかし、Lispコードを編集するEmacsコマンドが混乱するのを避けるために、文字‘()\|;'`"#.,’の前にはバックスラッシュを追加するべきです。space、tab、newline、formfeedのような空白文字の前にもバックスラッシュを追加できます。しかし、tabやspaceのような実際の空白文字のかわりに、‘\t’や‘\s’のような可読性のあるエスケープシーケンスを使用するほうが明解です(スペースを後にともなうバックスラッシュを記述する場合、後続のテキストと区別するために、文字定数の後に余分なスペースを記述するべきです)。