Next: , Previous: , Up: Control Structures   [Contents][Index]


10.4 Iteration

繰り返し(iteration)とは、プログラムの一部を繰り返し実行することを意味します。たとえば、リストの各要素、または0からnの整数にたいして、1度ずつ繰り返し何らかの計算をおこないたいとしましょうEmacs Lispでは、スペシャルフォームwhileでこれを行なうことができます:

Special Form: while condition forms…

whileは、最初にconditionを評価します。結果が非nilの場合は、formsをテキスト順に評価します。その後conditionを再評価して、結果が非nilの場合、再度formsを評価します。この処理は、conditionnilに評価されるまで繰り返されます。

繰り返し回数に制限はありません。このループは、conditionnilに評価されるか、エラーとなるか、throwで抜け出す(Nonlocal Exitsを参照してください)まで計測されるでしょう

whileフォームの値は、常にnilです。

(setq num 0)
     ⇒ 0
(while (< num 4)
  (princ (format "Iteration %d." num))
  (setq num (1+ num)))
     -| Iteration 0.
     -| Iteration 1.
     -| Iteration 2.
     -| Iteration 3.
     ⇒ nil

各繰り返しごとに何かを実行して、その後も終了テストを行なう“repeat...until”ループを記述するには、以下のようにwhileの1番目の引数として、bodyの後に終了テストを記述して、それをprognの中に配します:

(while (progn
         (forward-line 1)
         (not (looking-at "^$"))))

これは1行前方に移動して、空行に達するまで行単位の移動を継続します。独特なのは、whileがbodyをもたず、終了テスト(これはポイント移動の実処理も行ないます)だけという点です。

マクロdolistおよびdotimesは、2つの一般的な種類のループを記述する、便利な方法を提供します。

Macro: dolist (var list [result]) body…

この構成は、listの各要素にたいして1度bodyを実行し、カレント要素をローカルに保持するように、変数varにバインドします。その後、resultを評価した値、またはresultが省略された場合はnilをreturnします。たとえば、以下はreverse関数を定義するために、dolistを使用する方法の例です:

(defun reverse (list)
  (let (value)
    (dolist (elt list value)
      (setq value (cons elt value)))))
Macro: dotimes (var count [result]) body…

この構成は、0以上count未満の各整数にたいして1度bodyを実行し、その繰り返しでの整数を、変数varにバインドします。その後、resultの値、またはresultが省略された場合はnilをreturnします。以下は、dotimesを使用して、何らかの処理を100回行なう例です:

(dotimes (i 100)
  (insert "I will not obey absurd orders\n"))