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41 サーバーとしてのEmacsの使用

さまざまなプログラムが、特定のテキスト断片を編集するために、あなたが選択したエディターを呼び出すことができます。たとえば、バージョンコントロールシステム(Version Controlを参照してください)は、バージョンコントロールログを入力するためのエディターを呼び出し、Unixのmailユーティリティーは送信メッセージの入力にエディターを呼び出します。慣例により、選択するエディターは、環境変数EDITORで指定されます。しかしEDITORを‘emacs’にセットした場合、Emacsが呼び出されますが、これは便利な方法ではありません — なぜなら新しいEmacsプロセスが開始されるからです。なぜこれが不便かというと、新たなEmacsプロセスは、既存のEmacsプロセスのバッファー、コマンドヒストリー、その他の情報を共有しないからです。

Emacsをedit server(編集サーバー)としてセットアップして、Emacsが外部からの編集リクエストを“listen”し、それに応じて動作させることにより、この問題を解決できます。Emacsサーバーを開始するには2つの方法があります:

どちらの方法も、1度Emacsサーバーを開始すると、emacsclientというシェルコマンドを使用してEmacsに接続し、ファイルをvisitするよう指示できます。環境変数EDITORに‘emacsclient’をセットすれば、外部プログラムは編集のために既存のEmacsプロセスを使用できます。20

変数server-nameを使って、一意なサーバー名を与えることにより、同一マシン上で複数のEmacsサーバーを実行することができます。たとえばM-x set-variable RET server-name RET "foo" RETは、サーバー名を‘foo’にセットします。emacsclientプログラムは、‘-s’オプションで、名前によりサーバーを指定できます(emacsclient Optionsを参照してください)。

複数のEmacsデーモン(Initial Optionsをい参照してください)を実行したい場合、以下のようにデーモンごとにそれぞれ、独自のサーバー名を与えることができます:

  emacs --eval "(setq server-name \"foo\")" --daemon

一意なサーバー名によりサーバーを定義した場合、他のEmacsインスタンスからそのサーバーに接続し、server-eval-at関数を使用して、そのサーバーでLisp式を評価できます。たとえば(server-eval-at "foo" '(+ 1 2))は、式(+ 1 2)をサーバー‘foo’で評価して、3を返します(そのような名前のサーバーが存在しない場合はエラーをシグナルします)。現在のところ、これは主に開発者に有用な機能です。


Footnotes

(20)

別の環境変数を使うプログラムもいくつかあります。たとえば、TeXが‘emacsclient’を使うようにするには、環境変数TEXEDITを‘emacsclient +%d %s’にセットします。