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以下は、Emacsで特別な意味をもつ環境変数の、アルファベット順のリストです。これらの変数のほとんどは、他のプログラムでも使用されます。Emacsはこれらの環境変数がセットされていることを要求しませんが、セットされている場合はその値を使用します。
CDPATH相対ディレクトリー名を指定したときに、指定したディレクトリーを検索するために、cdコマンドにより使用されます。
DBUS_SESSION_BUS_ADDRESSD-BusサポートつきでEmacsがコンパイルされている場合、D-Busにより使用されます。通常これを変更する必要はありません。‘unix:path=/dev/null’のようなダミーアドレスをセットすることにより、D-Busセッションバスとの接続を抑止し、同様にD-Busセッションバスがまだ実行されていないときは自動的に開始します。
EMACSDATAEmacsに含まれるアーキテクチャーに独立なファイルのディレクトリーです。これは変数data-directoryの初期化に使用されます。
EMACSDOCドキュメント文字列ファイル(documentation string
file)にたいするディレクトリーで、Lisp変数doc-directoryの初期化に使用されます。
EMACSLOADPATHEmacs
Lispファイルを検索する、コロンで区切られたディレクトリーのリスト23です。セットされている場合は、変数load-pathの初期値です(Lisp Librariesを参照してください)。空の要素は、load-pathのデフォルト値を意味します。たとえば‘EMACSLOADPATH="/tmp:"’を使用すると、デフォルトのload-pathの前に/tmpを追加します。リストの中間に空の要素を指定するには、‘EMACSLOADPATH="/tmp::/foo"’のように、2つのコロンを続けます。
EMACSPATH実行可能ファイルを検索するための、コロンで区切られたディレクトリーのリストです。セットされている場合、Emacsは変数exec-path(Shellを参照してください)を初期化するときに、PATH(以下参照)に加えてこれをを使用します。
EMAILメールアドレスです。Lisp変数user-mail-addressを初期化するために使用されます。Emacsのメールインターフェースは、送信メッセージの‘From’ヘッダーにこれを使用します(Mail Headersを参照してください)。
ESHELLシェルモードで、環境変数SHELLをオーバーライドするために使用されます(Interactive Shellを参照してください)。
HISTFILEログインしている間のシェルコマンドが保存されるファイルの名前です。この変数のデフォルトは、Bashを使用している場合は~/.bash_history、kshのときは~/.sh_history、それ以外では~/.historyです。
HOMEディレクトリーツリー上で、あなたのファイルがある場所です。チルダ(~)で始まるファイル名の展開に使用されます。MS-DOSでは、この変数のデフォルトはEmacsが開始されたディレクトリーで、そのディレクトリー名が‘/bin’で終わる場合、‘/bin’は取り除かれます。Windowsでは、HOMEのデフォルト値は、ユーザープロファイルディレクトリーのApplication
Dataサブディレクトリー(つまり通常はC:/Documents and
Settings/username/Application
Data。usernameはユーザー名)ですが、後方互換のため、C:/に.emacsがある場合は、かわりにC:/がデフォルト値になります。
HOSTNAMEEmacsが実行されているホストの名前です。
INFOPATHコロンで区切られた、Infoファイルを検索するディレクトリーのリストです。
LC_ALLLC_COLLATELC_CTYPELC_MESSAGESLC_MONETARYLC_NUMERICLC_TIMELANGそのユーザーの優先されるlocaleです。localeには6つのカテゴリーがあり、それぞれ環境変数で指定されます。ソートはLC_COLLATE、文字エンコーディングはLC_CTYPE、システムメッセージはLC_MESSAGES、通貨形式はLC_MONETARY、数字はLC_NUMERIC、日時はLC_TIMEでlocaleを指定します。これらの変数の1つがセットされていない場合、そのカテゴリーのデフォルトは環境変数LANGの値、LANGがセットされていない場合は‘C’
localeになります。しかしLC_ALLが指定された場合、これは他のすべてのlocale環境変数のセッティングをオーバーライドします。
MS-WindowsとmacOSでは、環境でLANGがまだセットされていない場合、Emacsはシステムワイドなデフォルト言語にもとづき、LANGをセットします。MS-Windowsのいくつかのバージョンでは、これはコントロールパネルの‘Regional
Settings’でセットでき、macOSではSystem Preferenceの“Language and Region”でセットできます。
LC_CTYPEカテゴリーの値は、デフォルトの言語環境(language environment)とコーディングシステム(coding
system)を選択するために、locale-language-names、locale-charset-language-names、locale-preferred-coding-systemsのエントリーにたいしてマッチされます。Language Environmentsを参照してください。
LOGNAMEユーザーのログイン名です。USERも参照してください。
MAILシステムのメールinbox名です。
MHmhシステムのセットアップファイル名です。MH-E in The Emacs Interface to MHを参照してください。
NAMEあなたの現実世界での名前です。これは変数user-full-nameを初期化するために使用されます(Mail Headersを参照してください)。
NNTPSERVERニュースサーバーの名前です。Gnusパッケージで使用されます。
ORGANIZATIONあなたが属する組織の名前です。Gnusパッケージで、ポストの‘Organization:’ヘッダーをセットするために使用されます。
PATHコロンで区切られた、実行可能ファイルを含むディレクトリーのリストです。これは変数exec-pathを初期化するために使用されます(Shellを参照してください)。
PWDセットされている場合、これはEmacsが開始されたときのデフォルトディレクトリーになるはずです。
REPLYTOセットされている場合は、変数mail-default-reply-toの初期値になります(Mail Headersを参照してください)。
SAVEDIR新しいアーティクルがデフォルトで保存されるディレクトリーの名前です。Gnusパッケージにより使用されます。
SHELLEmacsの中からプログラムのパースや実行に使用されるインタープリターの名前です。
SMTPSERVER送信メールサーバーの名前です。これは変数smtpmail-smtp-serverを初期化するために使用されます(Mail Sendingを参照してください)。
TERMEmacsが使用する端末タイプです。Emacsがバッチモードで実行されていないとき、この変数はセットされていなければなりません。MS-DOSでは、デフォルトは‘internal’で、これはその機種固有のディスプレーを扱う、ビルトインの端末エミュレーションを指定します。
TERMCAPTERMで指定された端末をどのようにプログラムするかを記述する、termcapライブラリーファイルの名前です。デフォルトは/etc/termcapです。
TMPDIRTMPTEMPこれらの環境変数は、変数temporary-file-directoryを初期化するために使用されます。これは一時ファイルを置く場所を指定します(Backupを参照してください)。Emacsは最初にTMPDIRの使用を試みます。これがセットされていない場合、通常Emacsは/tmpにフォールバックします。しかしMS-WindowsとMS-DOSでは、かわりにTMP、次にTEMP、最後にc:/tempにフォールバックします。
TZこれはデフォルトのタイムゾーン(もしかしたらサマータイムの情報も)を指定します。Time Zone Rules in The
GNU Emacs Lisp Reference
Manualを参照してください。MS-DOSでは、Emacsを開始したときの環境でTZがセットされていない場合、EmacsはDOSが返す国コードにたいして、適切なデフォルト値を定義します。MS-Windowsでは、EmacsはTZを使用しません。
USERユーザーのログイン名です。LOGNAMEも参照してください。MS-DOSでは、デフォルトは‘root’です。
VERSION_CONTROL変数version-controlの初期化に使用されます(Backup Namesを参照してください)。
これ以降、“コロンで区切られたディレクトリーのリスト”という場合は、UnixおよびGNU/Linuxシステムの場合を指します。MS-DOSおよびMS-Windowsでは、DOS/Windowsファイル名にはドライブ文字の後のコロンが含まれるので、かわりにセミコロンでディレクトリーが区切られます。