このチャプターでは一連の編集コマンドを記録して、後で簡単に繰り返す方法を説明します。
キーボードマクロ(keyboard macro)とは、Emacsのユーザーにより定義される、一連のキー入力からなるコマンドです。たとえばC-n M-d C-dを40回繰り返しタイプしていることに気付いたとしましょう。C-n M-d C-dを行うキーボードマクロを定義して、それを39回以上繰り返すことにより、作業スピードをあげることができます。
キーボードマクロは、コマンドを実行・記録することにより定義します。違う言い方をすると、キーボードマクロの定義では、初回はマクロの定義が実行されるということです。この方法により、頭だけで考えるのではなく、コマンドの影響を目で見ることができます。コマンド列の入力を終了して定義を終了するときは、キーボードマクロが定義されるとともに、入力したコマンド列の影響としてマクロが1回実行されたことになります。その後はマクロを呼び出すことにより、コマンド列全体を実行することができます。
キーボードマクロは、LispではなくEmacsコマンド言語(Emacs command language)で記述されている点が、通常のEmacsコマンドと異なります。しかしEmacsコマンド言語は、高度なことや一般的なことを記述するプログラム言語として、充分にパワフルとはいえません。そのような事項には、Lispを使わなければなりません。
• Basic Keyboard Macro: | キーボードマクロの定義と実行。 | |
• Keyboard Macro Ring: | 以前のキーボードマクロが保存される場所。 | |
• Keyboard Macro Counter: | マクロに増加する番号を挿入する。 | |
• Keyboard Macro Query: | 毎回違うことを行うマクロの作成。 | |
• Save Keyboard Macro: | キーボードマクロの命名とファイルへの保存。 | |
• Edit Keyboard Macro: | キーボードマクロを編集するには。 | |
• Keyboard Macro Step-Edit: | キーボードマクロのインタラクティブな実行と編集。 |