GNU Emacsは、主にキーボードを使うようにデザインされています。マウスを使ってメニューバーやツールバーの編集コマンドを実行することはできますが、キーボードを使う場合に比べて効率的ではありません。したがって、このマニュアルには主にキーボードで編集する方法を記します。
Emacsにたいするキーボード入力は、ASCIIを大きく拡張したバージョンが基本となっています。‘a’、‘B’、‘3’、‘=’や空白文字(SPC)と表記します)などの単純な文字は、それぞれに対応するキーをタイプして入力します。RET、TAB、DEL、ESC、F1、Home、LEFTなどの制御文字なども、この方法で入力できますし、非英語キーボードの特定の文字も同様です(Internationalを参照してください)。
Emacsは修飾キー(modifier keys)を用いて入力された制御文字も認識します。よく使用される修飾キーは、Control(通常Ctrl)というラベル)と、Meta(通常Alt3というラベル)の2つです。たとえば、Control-aはCtrlを押したままでaを押して入力しますが、これを短くC-aと記します。同様に、Meta-aまたは短くM-aは、Altを押したままaを押すことです。修飾キーは英数文字以外のキーにも適用できます。例: C-F1、M-LEFT
ESCで始まる2文字キーシーケンスを使って、Meta文字を入力することもできます。したがってM-aをESC aと入力することができます。C-M-a(CtrlとAltを両方押しながらaを押下)はESC C-aと入力できます。Metaと違い、ESCは切り離された文字です。次の文字を押すときESCを押しっぱなしにするのではなく、ESCを押して離してから次の文字を入力します。この機能はMetaキーをあてにできない、一部のテキスト端末で有用です。
グラフィカルなディスプレーでは、ウィンドウマネージャーがM-TAB、M-SPC、C-M-d、C-M-lなどのキーボード入力をブロックするかもしれません。このような問題がある場合、ウィンドウマネージャーがこれらのキーをブロックしないようにカスタマイズしたり、影響を受けるEmacsのコマンドをリバインド(rebind)したりできます(Customizationを参照してください)。
単純な文字や制御文字、同様にマウスのクリックなどの非キーボード入力は、総じて入力イベント(input events)と呼ばれます。Emacsが内部で入力イベントをどのように処理するかについての詳細は、Input Events in The Emacs Lisp Reference Manualを参照してください.