テキストをクォートするための一般的な方法の1つは、typewriter convention(タイプライター方式)です。これは'like this'のようなstraight apostrophesによるクォートや、"like this"のようなダブルクォートを使用します。別の一般的な方法としてはcurved quote convention(曲クォート方式)があります。これは‘like this’や‘`like thi”のように、左右のシングルクォーテーションマークやダブルクォーテーションマークを使用します。11テキストファイルにおいては、typewriter quotesはシンプルで可搬性があり、curved quotesはあいまいさが少なく見栄えもよくなります。
Electric Quoteモードにより、curved
quotesをタイプするのが簡単になります。オプションでタイプした文字`を‘、'を’、``を“、''を”に変換します。このデフォルトのクォートリストは、変数electric-quote-chars
をカスタマイズして変更できます。値には左シングルクォート、右シングルクォート、左ダブルクォート、右ダブルクォートに対応する、4つの文字からなるリストを指定します。デフォルト値は'(?‘
?’ ?“ ?”)
です。
Electric
Quoteモードは、このモードをどこでアクティブにするかを制御する変数を通じて、カスタマイズできます。electric-quote-paragraph
が非nil
の場合、テキストパラグラフ内でアクティブになります。electric-quote-comment
が非nil
の場合、プログラミング言語のコメント内でアクティブになります。electric-quote-string
が非nil
の場合、プログラミング言語の文字列定数内でアクティブになります。デフォルトでは、electric-quote-string
がnil
で、それ以外の変数がt
です。
オプションelectric-quote-replace-double
を非nil
値にセットすることもできます。その場合には"とタイプすることにより、コンテキストに応じて適切なcurved
double
quoteが挿入されます。バッファー先頭や行ブレーク、空白、開カッコ、クォート文字の後には“、それ以外なら”が挿入されます。
Electric Quoteモードはデフォルトで無効になっています。これを単一のバッファーで切り替えるにはM-x
electric-quote-local-mode、グローバルに切り替えるにはM-x
electric-quote-modeとタイプします。1回だけこれを抑制したいときは、`や'のかわりに、C-q
`とC-q 'を使用します。Electric Quoteモードが無効または非アクティブのときにcurved
quoteを挿入する場合、『‘』はC-x 8 [、『’』はC-x 8 ]、『“』はC-x 8
{、『”』はC-x 8 }とタイプします。Inserting Textを参照してください。electric-quote-chars
の値は、これらのキーバインドには影響を与えないことに注意してください。これらの値はelectric-quote-mode
のキーバインドではなく、global-map
のバインドのためのものです。
curved single quote文字、U+2018 LEFT SINGLE QUOTATION MARKとU+2019 RIGHT SINGLE QUOTATION MARKです。curved double quote文字はU+201C LEFT DOUBLE QUOTATION MARKとU+201D RIGHT DOUBLE QUOTATION MARKです。これらの文字を表示できないテキスト端末では、Infoリーダーはそれらをtypewriter ASCII quote文字として表示するかもしれません。