Emacsの各ウィンドウには、常に1つのEmacsバッファーが表示されます。1つのバッファーは、複数のウィンドウに表示される場合があります。この場合、バッファーのテキストへの任意の変更は、それが表示されているすべてのウィンドウで表示されます。しかし各ウィンドウは独自にポイント値をもっているので、ウィンドウごとにバッファーの異なる部分を表示できます。
常に1つのEmacsウィンドウが、選択されたウィンドウとなります。このウィンドウに表示されているバッファーが、カレントバッファーとなります。グラフィカルなディスプレーでは、選択されたウィンドウのカーソルは、点滅する塗りつぶされたカーソルとなり、選択されていないウィンドウでは、中抜きボックスのカーソルになります。テキスト端末では、カーソルは選択されたウィンドウだけで描画されます。カーソルの表示を参照してください。
ポイントを移動するコマンドは、選択されたEmacsウィンドウのポイント値だけに影響します。他のEmacsウィンドウのポイント値は、たとえ同じバッファーを表示していたとしても変更されません。これと同じことは、C-x
bのようなバッファー切り替えコマンドについても言えます。これらは他のウィンドウには影響を与えません。しかしC-x 4
bのような、別のウィンドウを選択して、バッファーを切り替えるコマンドもあります。(たとえば)C-h f
(describe-function
)やC-x C-b
(list-buffers
)を含む、ウィンドウで情報を表示するコマンドは、選択されたウィンドウに影響を与えることなく、通常は選択されていないウィンドウ内にバッファーを表示することにより機能します。
複数ウィンドウで同じバッファーを表示しているとき、これらは異なるリージョンを持ちます。なぜなら、それらは異なるポイント値を持つことができるからです。しかしバッファーごとにマーク位置は1つだけなので、これらは同じマーク位置をもちます。
それぞれのウィンドウには、独自のモードラインがあり、それにはバッファー名、変更状態、そのウィンドウに表示されているバッファーのメジャーモードとマイナーモードが表示されます。選択されたウィンドウのモードラインは、異なる色で表示されます。詳細については、モードラインを参照してください。