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D.2 EmacsにたいするXリソースの表

以下のテーブルは、Emacsが認識するXリソース名です。いくつかのリソースは、Emacsが種々のXツールキット(GTK+、Lucid、...等)とともにコンパイルされていなければ効果がないことに注意してください(以下ではそのような場合は個々に示す)。

alpha (class Alpha)

フレームの透過度を決定するフレームパラメーター‘alpha’をセットします(Frame Parameters in The Emacs Lisp Reference Manualを参照)。

alphaBackground (class AlphaBackground)

バックグラウンドの透過度を決定するフレームパラメーター‘alpha-background’をセットします(Frame Parameters in The Emacs Lisp Reference Manualを参照)。

background (class Background)

バックグラウンドカラーです(フェイスのカラーを参照してください)。

bitmapIcon (class BitmapIcon)

on’のときはEmacsアイコンを表示し、‘off’のときは表示しないように、ウィンドウマネージャーに指示します。アイコンの説明は、アイコンを参照してください。

borderColor (class BorderColor)

フレームの外枠ボーダーのカラーです。EmacsがGTK+サポートつきでコンパイルされている場合、効果はありません。

borderWidth (class BorderWidth)

フレームの外枠ボーダーの幅(ピクセル)です。EmacsがGTK+サポートつきでコンパイルされている場合、効果はありません。

cursorBlink (class CursorBlink)

開始時に、このリソースの値が‘off’、‘false’、‘0’の場合、EmacsはBlink Cursorモードを無効にします(カーソルの表示を参照してください)。

cursorColor (class Foreground)

テキストカーソルのカラーです。Emacs開始時にこのリソースが指定されている場合、Emacsはその値をcursorフェイス(テキストのフェイスを参照してください)のバックグラウンドカラーとしてセットします。

font (class Font)

defaultフェイスにたいするフォント名です(フォントを参照してください)。フォントセット名(フォントセットを参照してください)を指定することもできます。

fontBackend (class FontBackend)

フォントの描画に使用するバックエンドを、優先順にカンマ区切りで記述したリストです。たとえば値‘x,xft’は、EmacsにXコアフォントドライバー(X core font driver)を使用してフォントを描画し、それに失敗したときはXftフォントドライバー(Xft font driver)にフォールバックするよう指示します。このリソースは通常、セットしないでおくべきです。その場合、Emacsは利用可能なすべてのバックエンドの使用を試みます。

foreground (class Foreground)

テキストにたいするデフォルトのフォアグラウンドカラーです。

fullscreen (class Fullscreen)

望ましいフルスクリーンサイズを指定します。値はfullbothmaximizedfullwidthfullheightのうちどれか1つを指定でき、これらはコマンドラインオプションの‘-fs’、‘-mm’、‘-fw’、‘-fh’に相当します(ウィンドウのサイズと位置にたいするオプションを参照してください)。これは初期フレームだけに適用されることに注意してください。

geometry (class Geometry)

ウィンドウのサイズと位置です。値にはコマンドラインオプション‘-g’または‘--geometry’と同じ形式で、サイズと位置を指定します。

サイズはEmacsセッションのすべてのフレームに適用されますが、位置は初期フレーム(特定のフレームにたいするリソースの場合は、そのフレーム)だけに適用されます。

このリソースを、‘emacs*geometry’のように指定しないように気をつけてください。これはEmacsのメインのフレームと同じように、個別のメニューにも影響します。

horizontalScrollBars (class ScrollBars)

このリソースの値が‘off’、‘false’、‘0’の場合、Emacsは開始時にHorizontal Scroll Barモードを無効にします(スクロールバーを参照)。

iconName (class Title)

アイコンに表示する名前です。

internalBorder (class BorderWidth)

フレームの内枠ボーダーの幅(ピクセル)です。

lineSpacing (class LineSpacing)

行間の追加のスペース(ピクセル)です。

menuBackground (class Background)

ツールキット版でないEmacsの、メニューのバックグラウンドカラーです(ツールキット版の場合はMotifメニューのXリソースGTK+リソースを参照してください)。

menuBar (class MenuBar)

このリソースの値が‘off’、‘false’、‘0’の場合、Emacsは開始時にMenu Barモードを無効にします(メニューバーを参照してください)。

minibuffer (class Minibuffer)

none’の場合、Emacsはこのフレームにミニバッファーを作成しません。かわりに別のミニバッファーフレームを使用します。

paneFont (class Font)

ツールキット版でないEmacsの、メニューペインタイトルのフォント名です(ツールキット版の場合はLucidのメニューとダイアログMotifメニューのXリソースGTK+リソースを参照)。

paneForeground (class Foreground)

ツールキット版でないEmacsの、メニューペインタイトルのフォント名です(ツールキット版の場合はLucidのメニューとダイアログMotifメニューのXリソースGTK+リソースを参照)。

pointerColor (class Foreground)

マウスカーソルのカラーです。多くのグラフィカルなデスクトップ環境では、この方法でEmacsがマウスカーソルを変更するのを許さないので、効果はありません。

privateColormap (class PrivateColormap)

on’の場合、Emacsが使用するクラスPseudoColorのdefault visualが使用されている場所で、プライベートなカラーマップを使用します。

reverseVideo (class ReverseVideo)

on’の場合はデフォルトのフォア九ラウンドカラーとバックグラウンドカラーを切り替え、‘off’の場合は指定されたカラーを使用します。

screenGamma (class ScreenGamma)

カラーのガンマ補正で、フレームパラメーターのscreen-gammaと等価です。

scrollBar (class ScrollBar)

このリソースの値が‘off’、‘false’、‘0’の場合、Emacsは開始時にScroll Barモードを無効にします(スクロールバーを参照してください)。

scrollBarWidth (class ScrollBarWidth)

スクロールバーの幅(ピクセル)で、フレームパラメーターのscroll-bar-widthと等価です。EmacsがGTK+サポートつきでコンパイルされている場合は、このリソースをセットしないでください。

selectionFont (class SelectionFont)

ツールキット版でないEmacsの、ポップアップメニューアイテムのフォント名です(ツールキット版の場合はLucidのメニューとダイアログMotifメニューのXリソースGTK+リソースを参照)。

selectionForeground (class SelectionForeground)

ツールキット版でないEmacsの、ポップアップメニューアイテムのフォアグラウンドカラーです(ツールキット版の場合はLucidのメニューとダイアログMotifメニューのXリソースGTK+リソースを参照してください)。

selectionTimeout (class SelectionTimeout)

選択にたいする応答を待つ時間(ミリ秒)です。選択したオーナーが、この時間内に応答しない場合は諦めます。値0は必要なだけ待つことを意味します。

synchronous (class Synchronous)

on’の場合、Emacsを同期モード(synchronous mode)で実行します。同期モードはXに関する問題のデバッグに有用です。

title (class Title)

初期Emacsフレームのタイトルバーに表示する名前です。

toolBar (class ToolBar)

このリソースの値が‘off’、‘false’、‘0’の場合、Emacsは開始時にTool Barモードを無効にします(ツールバーを参照してください)。

tabBar (class TabBar)

このリソースの値が‘on’、‘yes’、‘1’なら、Emacsは開始時にTab Barモードを無効にします(タブバーを参照してください)。

useXIM (class UseXIM)

false’または‘off’の場合、X入力メソッド(XIM: X input methods)の使用を無効にします。これはEmacsがXIMサポートつきでビルドされた場合だけ関係があります。Xのクライアント/サーバーのリンクが遅いときは、XIMをオフにするのが便利かもしれません。

inputStyle (class InputStyle)

これはXインプットメソッドが生成するプレビューテキストをどのように表示するかを制御するリソースです。値には以下のいずれかを指定できます:

callback

カレントバッファーにプレビューテキストの内容を表示します。

offthespot

Emacsが提供するディスプレイの別領域内ににプレビューテキストの内容を表示します。

overthespot

カレントウィンドウのポイント位置にウィンドウをポップアップして、その内部にプレビューテキストを表示します。

none

インプットメソッド自体に表示方法を任せます。通常は‘overthespot’と等価ですが、より多くのインプットメソッドで機能するかもしれません。

native

インプットメソッドの処理にツールキットを使用します。現在のところGTKでのみ実装されています。

root

プレビューテキストの表示にたいして、インプットメソッド固有のディスプレイ位置を使用します。

synchronizeResize (class SynchronizeResize)

off’か‘false’なら、Emacsはフレームのリサイズにたいする応答において、ディスプレイの再表示が完了した際にウィンドウマネージャーへの通知を試みません。それ以外の値ならウィンドウマネージャーはリサイズされたフレームの内容が更新されるまでフレームの描画を延期します。これによってまだ描画されていないフレームのブランク領域が表示されることを防ぐのです。‘extended’にセットされていれば、別種のフレーム同期プロトコルを有効にします。これはEmacsがデフォルトで使用するプロトコルではサポートされていませんが、一部のコンポジット型ウィンドウマネージャーがサポートされているかもしれないプロトコルのことを指し、互換性のあるコンポジット型ウィンドウマネージャー使用中はモニターのリフレッシュレートとEmacsの表示を同期させます。

verticalScrollBars (class ScrollBars)

left’の場合はフレームの左側、‘right’の場合は右側、‘off’のときはスクロールバーをもちません(スクロールバーを参照)。

visualClass (class VisualClass)

Xカラーディスプレイのvisual classです。指定する場合、値は‘TrueColor’、‘PseudoColor’、‘DirectColor’、‘StaticColor’、‘GrayScale’、‘StaticGray’で始まり、その後に‘-depth’が続きます。ここでdepthは色平面の数です。

特定のEmacsフェイスのカスタマイズに、Xリソースを使用することもできます(テキストのフェイスを参照してください)。たとえば‘face.attributeForeground’をセットするのは、フェイスfaceの‘foreground’属性をカスタマイズするのと等価です。しかし、わたしたちはXリソースを使用してフェイスのカスタマイズするかわりに、Emacs内でフェイスをカスタマイズする方法を推奨します。フェイスのカスタマイズを参照してください。


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