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19.17 ファイル名キャッシュ

ファイル名キャッシュ(file name cache)により、ファイルがどこにあるか正確に覚えていなくても、名前でファイルがどこにあるかを簡単に指定することができます。ファイル名をミニバッファーでタイプするとき、C-TAB (file-cache-minibuffer-complete)で、ファイル名キャッシュを使ったファイル名を補完が行なわれます。C-TABを繰り返すと、最初にタイプした内容から補完できる利用可能な候補を順番に表示します(しかしC-TAB文字は、多くのテキスト端末でタイプできないことに注意してください)。

ファイル名キャッシュは自動的に充填されません。かわりに以下のコマンドを使ってファイル名をキャッシュにロードします。

M-x file-cache-add-directory RET directory RET

directoryの各ファイルを、ファイル名キャッシュに加えます。

M-x file-cache-add-directory-using-find RET directory RET

directoryの各ファイルを、ファイル名キャッシュに加えるとともに、ネストされたサブディレクトリーのすべてのファイルを、ファイル名キャッシュに加えます。

M-x file-cache-add-directory-using-locate RET directory RET

directoryの各ファイルを、ファイル名キャッシュに加えるとともに、ネストされたサブディレクトリーのすべてのファイルを、ファイル名キャッシュに加えます。ファイルの検索には、locateを使用します。

M-x file-cache-add-directory-list RET variable RET

variableにリストされた各ディレクトリーのファイル名を、ファイル名キャッシュに加えます。variableはLisp変数で、load-pathと同様、値はディレクトリーのリストです。

M-x file-cache-clear-cache RET

キャッシュをクリアーして、すべてのファイル名を削除します。

ファイル名キャッシュは永続的ではありません。キャッシュが維持されるのはEmacsのセッションの間だけです。キャッシュの内容は、file-cache-displayコマンドで閲覧できます。