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11.4 Apropos(適切な)

apropos(折よい、適切な)コマンドは、“What are the commands for working with files?(ファイルを処理するコマンドは?)”のような質問に答えるものです。より正確に言うと、これはあなたの問いを形式のaproposパターン(単語、スペースで区切られた単語のリスト、あるいは正規表現)として指定するコマンドです。

以下の各aproposコマンドは、ミニバッファーでaproposパターンを読み取り、パターンにマッチするアイテムを検索して、結果を別のウィンドウに表示します。

C-h a

コマンドを検索します(apropos-command)。プレフィクス引数を指定すると、非インタラクティブな関数も検索します。

M-x apropos

関数と変数を検索します。これを使えばインタラクティブな関数(コマンド)と非インタラクティブな関数の両方を検索できます。

M-x apropos-user-option

ユーザーがカスタマイズできる関数を検索します。プレフィクス引数を指定すると、カスタマイズできない変数も検索します。

M-x apropos-variable

変数を検索します。プレフィクス引数を指定すると、カスタマイズできる変数だけを検索します。

M-x apropos-local-variable

バッファーローカル変数を検索します。

M-x apropos-value

指定したパターンにマッチする値の変数を検索します。プレフィクス引数を指定すると、定義がパターンにマッチする関数と、プロパティリストがパターンにマッチする、Lispシンボルも検索します。

M-x apropos-local-value

値が指定されたパターンにマッチする、バッファーローカル変数を検索します。

C-h d

指定されたパターンにマッチするドキュメント文字列の関数、または変数を検索します(apropos-documentation)。

最も簡単な種類のaproposパターンは単語です。その単語が含まれていれば、パターンにマッチします。ファイルを処理するコマンドを探すには、C-h a file RETと入力します。これはcopy-filefind-fileなどの、名前に‘file’を含むすべてのコマンドの一覧を表示します。各コマンド名には簡単な説明と、それを呼び出すためのキーの一覧が一緒に表示されます。この例だと、find-fileC-x C-fで呼び出せることがわかります。

デフォルトでは問い合わせた結果であるaproposバッファーを表示するウィンドウは選択されませんが、変数help-window-selectを任意の非nil値にカスタマイズして選択されるようにすることもできます。

aproposバッファーの関数定義、変数、シンボルの属性についてもっと情報が欲しいときは、mouse-1またはmouse-2でクリックするか、そこに移動してRETを押してください。

2つ以上の単語をaproposパターンに指定したときは、マッチするために少なくとも名前に2つの単語が含まれていなければなりません。たとえばポイントの前のテキストをkillするコマンドを探すときは、C-h a kill back backward behind before RETなどと試みることができます。これは実際のコマンド名kill-backwardにマッチするでしょう。もしkill-text-beforeというコマンドがあったなら、これも指定した単語を2つ含んでいるのでマッチします。

より一層フレキシビリティを高めるために、正規表現(正規表現の構文を参照)を指定できます。aproposパターンに正規表現の特殊文字‘^$*+?.\[’が含まれていると、それは正規表現として扱われます。

Emacsコマンド命名の慣習に従うと、aproposパターンとして便利な単語がいくつかあります。これらをC-h aで使うことにより、命名の慣習の必要性を感じることができるでしょう。

char、line、word、sentence、paragraph、region、page、sexp、list、defun、rect、buffer、frame、window、face、file、dir、register、mode、beginning、end、forward、backward、next、previous、up、down、search、goto、kill、delete、mark、insert、yank、fill、indent、case、change、set、what、list、find、view、describe、default

変数apropos-do-allが非nilの場合、ほとんどのaproposコマンドは、プレフィクス引数が与えられたかのように振る舞います。例外が1つあります。プレフィクス引数なしのapropos-variableは、apropos-do-allの値に関係なく、常にすべての変数を検索します。

デフォルトでは、apropos-documentationを除くすべてのaproposコマンドは、結果をアルファベット順に一覧します。変数apropos-sort-by-scoresが非nilのときは、かわりに結果の関連度を推測して、一番関連度が高いと思われるものを最初に表示します。apropos-documentationコマンドは、デフォルトで結果を関連度順で一覧します。これをアルファベット順にするには、変数apropos-documentation-sort-by-scoresnilに変更してください。