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G.1 Haiku特有なインストールと使い方

HaikuでEmacsをインストールすると通常の実行可能形式である小文字の名前をもつemacs、そしてHaiku固有のアプリケーションメタデータを含んだEmacsという名前のバイナリー形式という2つの実行可能形式が個別にインストールされます。どちらが自分にもっとも適しているかを決めるのはユーザーに任されています。

TrackerからEmacsを起動したり、Emacsを使用してTrackerにファイルをオープンさせたい場合には、Emacsという名前のバイナリーを使う必要があります。端末でEmacsを使いたい、Emacsのインスタンスを個別に起動したい、あるいは前述のシステム統合機能を考慮しない場合には、emacsという名前のバイナリーを使用してください。

HaikuではHyperキーのように特殊な修飾キーはサポートされていません。デフォルトではsuperキーはオペレーティングシステムによって定義されたoptionキー、metaキーはcommandキー、controlキーはシステムのcontrolキー、shiftキーはシステムのshiftキーに対応しています。標準的なPCキーボードでは、HaikuはこれらのキーをGNUシステムで慣れ親しんだ位置へとマップする必要がありますが、これを機能させるためにはシステム構成に幾らか調節を要するかもしれません。

システムのsuperキーのマップを用いてアクセントつき文字をタイプすることは不可能です。

システムが認識している修飾キーとEmacsが認識しているキーの対応づけは、以下に記述する変数によってカスタマイズすることができます。

haiku-meta-keysym

EmacsがMetaキーとして扱うシステムの修飾キー。デフォルトはcommand

haiku-control-keysym

EmacsがControlキーとして扱うシステムの修飾キー。デフォルトはcontrol

haiku-super-keysym

EmacsがSuperキーとして扱うシステムの修飾キー。デフォルトはoption

haiku-shift-keysym

EmacsがShiftキーとして扱うシステムの修飾キー。デフォルトはshift

これらの変数それぞれにたいする値としてはcommandcontroloptionshift、あるいはnilのいずれかのシンボルを指定できます。nilやこれら以外のすべての値にたいしてはデフォルト値が使用されます。

HaikuでのEmacsは、デフォルトではシステムのツールチップメカニズムを使用します。これにより通常はツールチップの応答性が向上しますが、このツールチップではテキストのプロパティやフェイスの表示はできません。これらの機能が必要な場合には、変数use-system-tooltipsnil値にカスタマイズすることによって、Emacs自身で実装されたツールチップを使うことができます。

Xウィンドウシステムとは異なり、Haikuにはシステムワイドなリソースデータベースがありません。重要なオプションの多くはXリソースを通じて指定されるオプションなので、それのエミュレーションが提供されています。Emacsは起動時にユーザーの構成ディレクトリー(通常は/boot/home/config/settings)にあるGNU Emacsという名前のファイルをロードします。このファイルはフラット構造のシステムメッセージでキーと値(どちらも文字列)はそれぞれ属性とその属性の値に対応しています。

xmlbmessageツールによって、このようなファイルを作成することができます。

G.1.1 Emacsがクラッシュしたら

変数haiku-debug-on-fatal-errorが非nilの場合には、致命的シグナルの受信時にEmacsがシステムデバッガを起動します。この変数のデフォルトはtです。システムでGDBを使えない場合には、システムデバッガによって生成されたレポートをバグの報告時に添付してください。