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32.2 マルチバイト文字の無効化

デフォルトではEmacsはマルチバイトモードで開始されます。Emacsはマルチバイトシーケンスを使用して非ASCII文字を表現する内部エンコーディングを使用することにより、バッファーや文字列のコンテンツを格納します。マルチバイトモードでは、サポートされるすべての言語とスクリプトを使用できます。

非常に特別な状況下においては、特定のバッファーでマルチバイト文字のサポートを無効にしたいときがあるかもしれません。あるバッファーにおいてマルチバイト文字が無効になっているときには、それをユニバイトモード(unibyte mode)と呼びます。ユニバイトモードではバッファー内の各文字は0から255(8進の0377)の範囲の文字コードをもちます。0から127(8進の0177)はASCII文字、128から255(8進の0377)は非ASCII文字を表します。

特定のファイルをユニバイト表現で編集するためには、find-file-literallyを使用してファイルをvisitします。Visiting Functionsを参照してください。マルチバイトバッファーをファイルに保存してバッファーをkillした後に、再びそのファイルをfind-file-literallyでvisitすることによりマルチバイトバッファーをユニバイトに変換できます。かわりにC-x RET c(universal-coding-system-argument)を使用して、ファイルをvisitまたは保存するコーディングシステムとして‘raw-text’を指定することもできます。Specifying a Coding System for File Text in GNU Emacs Manualを参照してください。find-file-literallyとは異なり、‘raw-text’としてファイルをvisitしてもフォーマット変換、解凍、自動的なモード選択は無効になりません。

バッファーローカル変数enable-multibyte-charactersはマルチバイトバッファーなら非nil、ユニバイトバッファーならnilです。マルチバイトバッファーかどうかはモードラインにも示されます。グラフィカルなディスプレイでのマルチバイトバッファーには文字セットを示すモードライン部分と、そのバッファーがマルチバイトであること(とそれ以外の事項)を告げるツールチップがあります。ユニバイトバッファーでは文字セットのインジケーターはありません。したがって(グラフィカルなディスプレイ使用時の)ユニバイトバッファーでは入力メソッドを使用していなければ、visitしているファイルの行末変換(コロン、バックスラッシュ等)の標識の前には通常は何も標識がありません。

特定のバッファーでマルチバイトサポートをオフに切り替えるには、そのバッファー内でコマンドtoggle-enable-multibyte-charactersを呼び出してください。