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12.10.3 アドバイスの構築方法

以下はadd-functionadvice-addwhere引数に可能な値であり、そのアドバイスfunctionと元の関数が構成される方法を指定します。

:before

古い関数の前にfunctionを呼び出す。関数は両方とも同じ引数を受け取り、2つの関数の結合のリターン値は古い関数のリターン値である。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (apply function r) (apply oldfun r))

(add-function :before funvar function)はノーマルフックにたいする(add-hook 'hookvar function)のような1関数のフックと同等。

:after

古い関数の後にfunctionを呼び出す。関数は両方とも同じ引数を受け取り、2つの関数の結合のリターン値は古い関数のリターン値である。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (prog1 (apply oldfun r) (apply function r)))

(add-function :after funvar function)はノーマルフックにたいする(add-hook 'hookvar function 'append)のような1関数のフックと同等。

:override

これは古い関数を新しい関数に完全に置き換える。もちろんremove-functionを呼び出した後に古い関数が復元される。

:around

古い関数のかわりにfunctionを呼び出すが、古い関数はfunctionの追加の引数になる。これはもっとも柔軟な結合である。たとえば古い関数を異なる引数で呼び出したり、複数回呼び出したり、letバインディングで呼び出したり、あるときは古い関数に処理を委譲し、またあるときは完全にオーバーライドすることが可能になる。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (apply function oldfun r))
:before-while

古い関数の前にfunctionを呼び出し、functionnilをリターンしたら古い関数を呼び出さない。関数は両方とも同じ引数を受け取り、2つの関数の結合のリターン値は古い関数のリターン値である。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (and (apply function r) (apply oldfun r)))

(add-function :before-while funvar function)run-hook-with-args-until-failureを通じてhookvarが実行されたときの(add-hook 'hookvar function)のような1関数のフックと同等。

:before-until

古い関数の前にfunctionを呼び出し、functionnilをリターンした場合だけ古い関数を呼び出す。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (or (apply function r) (apply oldfun r)))

(add-function :before-until funvar function)run-hook-with-args-until-successを通じてhookvarが実行されたときの(add-hook 'hookvar function)のような1関数のフックと同等。

:after-while

古い関数が非nilをリターンした場合だけ、古い関数の後にfunctionを呼び出す。関数は両方とも同じ引数を受け取り、2つの関数の結合のリターン値はfunctionのリターン値である。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (and (apply oldfun r) (apply function r)))

(add-function :after-while funvar function)run-hook-with-args-until-failureを通じてhookvarが実行されたときの(add-hook 'hookvar function 'append)のような1関数のフックと同等。

:after-until

古い関数がnilをリターンした場合だけ、古い関数の後にfunctionを呼び出す。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (or  (apply oldfun r) (apply function r)))

(add-function :after-until funvar function)run-hook-with-args-until-successを通じてhookvarが実行されたときの(add-hook 'hookvar function 'append)のような1関数のフックと同等。

:filter-args

最初にfunctionを呼び出し、その結果(リスト)を新たな引数として古い関数に渡す。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (apply oldfun (funcall function r)))
:filter-return

最初に古い関数を呼び出し、その結果をfunctionに渡す。より正確に言うと2つの関数の結合は以下のように振る舞う:

(lambda (&rest r) (funcall function (apply oldfun r)))