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このセクションでは式のパースにもとづいて処理を行うシンプルなポイント移動関数を説明します。
この関数は位置fromからバランスのとれたカッコのグループを前方にcount個スキャンする。これはスキャンが停止した位置をリターンする。countが負ならスキャンは後方に移動する。
depthが非0なら開始位置のカッコのネスト深さをdepthとして扱う。スキャナーはネスト深さが0になるまで繰り返してcount回、前方か後方に移動する。そのため正のdepthは開始位置からカッコをdepthレベル抜け出して移動する効果があり、負のdepthはカッコがdepthレベル深くなるよう移動する効果をもつ。
parse-sexp-ignore-comments
が非nil
ならスキャンはコメントを無視する。
count個のカッコのグループをスキャンする前にスキャンがバッファーのアクセス可能範囲の先頭か終端に達した場合には、そのポイントのネスト深さが0なら値nil
をリターンする。ネスト深さが非0ならscan-error
エラーをシグナルする。
この関数は位置fromからcount個のsexpを前方にスキャンする。これはスキャンが停止した位置をリターンする。countが負ならスキャンは後方へ移動する。
parse-sexp-ignore-comments
が非nil
ならスキャンはコメントを無視する。
カッコのグループの中間でバッファー(のアクセス可能範囲)の先頭か終端に達したらエラーをシグナルする。count個を消費する前にカッコのグループの間でバッファーの先頭か終端に達したらnil
をリターンする。
この関数はcount個の完全なコメント(すなわち、もしあれば開始区切りと終了区切りを含む)、および途中で遭遇する任意の空白文字を横断してポイントを前方に移動する。countが負なら後方に移動する。コメントまたは空白文字以外のものに遭遇したら停止して停止位置にポイントを残す。これには、(たとえば)前方に移動してコメント開始を調べる際にコメント終了を探すことも含まれる。この関数は指定された個数の完全なコメントを横断して移動した後にも即座に停止する。空白以外のものがコメント間に存在せずに期待どおりcount個のコメントが見つかったらt
、それ以外はnil
をリターンする。
この関数は、“コメント”を横断する際、それが文字列内に埋め込まれているかどうか区別できない。コメントのように見えれば、それらはコメントとして扱われる。
ポイントの後のすべてのコメントと空白文字を飛び越して移動するには(forward-comment
(buffer-size))
を使用する。バッファー内のコメント数は(buffer-size)
を超えることはできないので、これは引数としての使用に適している。