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22.2.7 Tabulated Listモード

Tabulated Listモードとは、表形式データ(エントリーから構成されるデータで各エントリーはそれぞれテキストの1行を占め、エントリーの内容は列に分割されるようなデータ)を表示するためのメジャーモードです。Tabulated Listモードは行列の見栄えよくプリントする機能、および各列の値に応じて行をソートする機能を提供します。これはSpecialモードから派生されたモードです(Basic Major Modesを参照)。

Tabulated Listモードは、より特化したメジャーモードの親モードとして使用されることを意図しています。例としてはProcess Menuモード(Process Informationを参照)、Package Menuモード(Package Menu in The GNU Emacs Manualを参照)が含まれます。

このような派生されたモードは、tabulated-list-modeを2つ目の引数に指定して、通常の方法でdefine-derived-modeを使用するべきです(Derived Modesを参照)。define-derived-modeフォームのbodyは、以下にドキュメントされている変数に値を割り当てることにより、表形式データのフォーマットを指定するべきです。その後、ヘッダー行を初期化するために関数tabulated-list-init-headerを呼び出すべきです。

派生されたモードはリスティングコマンド(listing command)も定義するべきです。これはモードコマンドではなく、(M-x list-processesのように)ユーザーが呼び出すコマンドです。リスティングコマンドはバッファーを作成または切り替えて、派生モードをオンにして表形式データを指定し、最後にそのバッファーを事前設定(populate)するためにtabulated-list-printを呼び出すべきです。

Variable: tabulated-list-format

このバッファーローカル変数は表形式データのフォーマットを指定する。値はベクターであり、ベクターの各要素はデータ列を表すリスト(name width sort)である。ここで

Variable: tabulated-list-entries

このバッファーローカル変数はTabulated Listバッファー内に表示されるエントリーを指定する。値はリストか関数のいずれかであること。

値がリストなら各リスト要素は1つのエントリーに対応し、(id contents)という形式であること。ここで

それ以外なら、それは値は引数なしで呼び出されて上記形式のリストをリターンする関数であること。

Variable: tabulated-list-revert-hook

このノーマルフックはTabulated Listバッファーのリバートに先立ち実行される。派生モードはtabulated-list-entriesを再計算するためにこのフックに関数を追加できる。

Variable: tabulated-list-printer

この変数の値はポイント位置にエントリー(エントリーを終端する改行を含む)を挿入するために呼び出される関数である。この関数はtabulated-list-entriesと同じ意味をもつ2つの引数idcontentsを受け取る。デフォルト値はエントリーをそのまま挿入する関数である。より複雑な方法でTabulated Listモードを使用するモードは別の関数を指定できる。

Variable: tabulated-list-sort-key

この変数の値はTabulated Listバッファーにたいするカレントのソートキーを指定する。nilならソートは行われない。それ以外なら(name . flip)という形式の値をもつ。ここでnametabulated-list-format内の列目の1つとマッチする文字列、flipが非nilなら逆順でのソートを意味する。

Function: tabulated-list-init-header

この関数は、Tabulated Listバッファーにたいするheader-line-formatを計算してセットし、列ヘッダー上でのクリックでソートを可能にするキーマップをヘッダー行に割り当てる。

Tabulated Listから派生したモードは、上記の変数(特にtabulated-list-formatをセットした後のみ)をセットした後にこれを呼び出すこと。

Function: tabulated-list-print &optional remember-pos

この関数はカレントバッファーにエントリーを挿入する。これをリスティングコマンドとして呼び出すこと。この関数はバッファーを消去してtabulated-list-entriesで指定されるエントリーをtabulated-list-sort-keyにしたがってソートした後、各エントリーを挿入するためにtabulated-list-printerで指定される関数を呼び出す。

オプション引数remember-posが非nilなら、この関数はカレント行でid要素を探して、もしあればすべてのエントリーを(再)挿入して、その後にそのエントリーの移動を試みる。