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37.3 切り詰め

テキスト行がウィンドウ右端を超過する際、Emacsはその行を継続(continue)させる(次のスクリーン行へ“wrap”、すなわち折り返す)か、あるいはその行を切り詰める(truncate)て表示(その行をスクリーン行の1行に制限)することができます。長いテキスト行を表示するために使用される追加のスクリーン行は、継続(continuation)行と呼ばれます。継続はフィルとは異なります。継続はバッファーのコンテンツ内ではなくスクリーン上でのみ発生し、単語境界ではなく正確に右マージンで行をブレークします。Fillingを参照してください。

グラフィカルなディスプレイでは、切り詰めと継続はウィンドウフリンジ内の小さな矢印イメージで示されます(Fringesを参照)。テキスト端末では、切り詰めはそのウィンドウの最右列の‘$’、“折り返し”は最右列の‘\’で示されます(ディスプレイテーブルにより、これを行うための代替え文字を指定できる。Display Tablesを参照されたい)。

User Option: truncate-lines

このバッファーローカル変数が非nilならウィンドウ右端を超過する行は切り詰められて、それ以外なら継続される。特別な例外として部分幅(partial-width)ウィンドウ(フレーム全体の幅を占有しないウィンドウ)では変数truncate-partial-width-windowsが優先される。

User Option: truncate-partial-width-windows

この変数は部分幅(partial-width)ウィンドウ内の行の切り詰めを制御する。部分幅ウィンドウとはフレーム全体の幅を占有しないウィンドウ(Splitting Windowsを参照)。値がnilなら行の切り詰めは変数truncate-lines (上記参照)により決定される。値が整数nの場合には、部分幅ウィンドウの列数がnより小さければtruncate-linesの値とは無関係に行は切り詰められて、部分幅ウィンドウの列数がn以上なら行の切り詰めはtruncate-linesにより決定される。それ以外の非nil値ではtruncate-linesの値とは無関係にすべての部分幅ウィンドウで行は切り詰められる。

ウィンドウ内で水平スクロール(Horizontal Scrollingを参照)を使用中は切り詰めが強制されます。

Variable: wrap-prefix

このバッファーローカル変数が非nilなら、それはEmacsが各継続行の先頭に表示する折り返しプレフィックス(wrap prefix)を定義する(行を切り詰めている場合にはwrap-prefixは使用されない)。この値は文字列、またはイメージ(Other Display Specsを参照)やディスプレイプロパティ:width:align-toで指定されるような伸長された空白文字を指定できる(Specified Spaceを参照)。値はテキストプロパティdisplayと同じ方法で解釈される。Display Propertyを参照のこと。

折り返しプレフィックスはテキストプロパティかオーバーレイプロパティwrap-prefixを使用することにより、テキストのリージョンにたいして指定することもできる。これはwrap-prefix変数より優先される。Special Propertiesを参照のこと。

Variable: line-prefix

このバッファーローカル変数が非nilなら、それはEmacsがすべての非継続行の先頭に表示する行プレフィックス(line prefix)を定義する。この値は文字列、イメージ(Other Display Specsを参照)、またはディスプレイプロパティ:width:align-toで指定されるような伸長された空白文字を指定できる(Specified Spaceを参照)。値はテキストプロパティdisplayと同じ方法で解釈される。Display Propertyを参照のこと。

行プレフィックスはテキストプロパティまたはオーバーレイプロパティline-prefixを使用することにより、テキストのリージョンにたいして指定することもできる。これはline-prefix変数より優先される。Special Propertiesを参照のこと。