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11.13 変数のエイリアス

シノニムとして2つの変数を作成できれば便利なときがあります。2つの変数は常に同じ値をもち、どちらか一方を変更すると、もう一方も変更されます。変数の名前を変更 — 古い名前はよく考慮して選択されたものではなかったとか、変数の意味が部分的に変更された等の理由で — するとき、互換性のために新しい名前のエイリアス(alias)として古い名前を維持できれば便利なときがあるかもしれません。defvaraliasによってこれを行うことができます。

Function: defvaralias new-alias base-variable &optional docstring

この関数はシンボルbase-variableのエイリアスとして、シンボルnew-aliasを定義する。これはnew-aliasから値を取得するとbase-variableの値がリターンされ、new-aliasの値を変更するとbase-variableの値が変更されることを意味する。エイリアスされた2つの変数名は、常に同じ値と同じバインディングを共有する。

docstring引数が非nilなら、それはnew-aliasのドキュメント文字列を指定する。それ以外なら、エイリアスは(もしあれば)base-variableと同じドキュメント文字列となる。ただしそれはbase-variable自体がエイリアスではない場合で、エイリアスならnew-aliasはエイリアスチェーンの最後の変数のドキュメント文字列になる。

この関数はbase-variableをリターンする。

変数のエイリアスは、変数にたいする古い名前を新しい名前に置き換える便利な方法です。make-obsolete-variableは古い名前を陳腐化(obsolete)していると宣言して。それが将来のある時点で削除されるかもしれないことを宣言します。

Function: make-obsolete-variable obsolete-name current-name when &optional access-type

この関数はバイトコンパイラーに変数obsolete-nameが陳腐化していると警告させる。current-nameがシンボルなら、それはこの変数の新たな名前である。警告メッセージはその後、obsolete-nameのかわりにcurrent-nameを使用するよう告げるようになる。current-nameが文字列なら、それはメッセージであり、置き換えられる変数はない。whenはその変数が最初に陳腐化するのがいつかを示す文字列(通常はバージョン番号文字列)。

オプションの引数access-typeは、非nilの場合は陳腐化の警告を引き起こすアクセスの種類を指定します。getまたはsetを指定できます。

2つの変数シノニムを作成してマクロdefine-obsolete-variable-aliasを使用することにより、1つが陳腐化していると同時に宣言できます。

Macro: define-obsolete-variable-alias obsolete-name current-name &optional when docstring

このマクロは変数obsolete-nameが陳腐化しているとマークして、それを変数current-nameにたいするエイリアスにする。これは以下と等価である:

(defvaralias obsolete-name current-name docstring)
(make-obsolete-variable obsolete-name current-name when)
Function: indirect-variable variable

この関数はvariableのエイリアスチェーンの最後の変数をリターンする。variableがシンボルでない、またはvariableがエイリアスとして定義されていなければ、この関数はvariableをリターンする。

この関数はシンボルのチェーンがループしていたら、cyclic-variable-indirectionエラーをシグナルする。

(defvaralias 'foo 'bar)
(indirect-variable 'foo)
     ⇒ bar
(indirect-variable 'bar)
     ⇒ bar
(setq bar 2)
bar
     ⇒ 2
foo
     ⇒ 2
(setq foo 0)
bar
     ⇒ 0
foo
     ⇒ 0