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垂直フラクショナルスクロール(vertical fractional scrolling)とは、指定された値を行に乗ずるることによりウィンドウ内のテキストを上下にシフトすることを意味します。ウィンドウはそれぞれ、決して0より小さくなることはない垂直スクロール位置(vertical scroll position)という数値をもっています。これはウィンドウのコンテンツをどこから表示開始(raise)するかを指定します。ウィンドウのコンテンツの表示開始により一般的には上端の何行かすべて、または一部が表示されなくなり、他の何行かのすべて、または一部が下端に表示されるようになります。通常の値は0です。
垂直スクロール位置は通常行の高さ(デフォルトフォントの高さ)の単位で数えられます。したがって値が.5なら、それはウィンドウのコンテンツが通常行の半分の高さで上にスクロールされていること、3.3なら通常行の3倍を若干超える高さで上にスクロールされていることを意味します。
垂直スクロールが覆い隠す(cover)のがどれほどの行断片(fraction of a line)なのか、あるいは行数かはそれらの行に何が含まれるかに依存します。3.3という値により高い行やイメージの一部だけを画面外にスクロールできることもあれば、.5という値が非常に小さい高さの行を画面外にスクロールできることもあります。
この関数はwindowのカレントの垂直スクロール位置をリターンする。windowのデフォルトは選択されたウィンドウ。pixels-pが非nil
ならリターン値は通常行高さ単位ではなくピクセル単位で測定される。
(window-vscroll) ⇒ 0
この関数はwindowの垂直スクロール位置をlinesにセットする。windowがnil
なら選択されたウィンドウが使用される。引数linesは0または正であること。それ以外は0として扱われる。
実際の垂直スクロール位置は常にピクセルの整数に対応しなければならないため、指定した値はそれに応じて丸められる。
この丸め結果がリターン値となる。
(set-window-vscroll (selected-window) 1.2) ⇒ 1.13
pixels-pが非nil
ならlinesはピクセル数を指定する。この場合にはリターン値はlines。
この変数が非nil
なら関数line-move
、scroll-up
、scroll-down
は、たとえば大きなイメージが存在する等でウィンドウ高さより高いディスプレイ行をスクロールするために垂直スクロール位置を自動的に変更するだろう。