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37.4.1 エコーエリアへのメッセージの表示

このセクションではエコーエリア内にメッセージを表示する標準的な関数を説明します。

Function: message format-string &rest arguments

この関数はエコーエリア内にメッセージを表示する。format-message関数(Formatting Stringsを参照)の場合と同じようにformat-stringはフォーマット文字列、argumentsはそのフォーマット仕様にたいするオブジェクトである。フォーマットされた結果文字列はエコーエリア内に表示される。それにfaceテキストプロパティが含まれる場合には指定されたフェイスにより表示される(Facesを参照)。この文字列は*Messages*バッファーにも追加されるがテキストプロパティは含まれない(Logging Messagesを参照)。

変数text-quoting-styleは何のクォートを生成するかを制御する。Keys in Documentationを参照のこと。"Missing `%s'"のようなgrave accentとapostropheをもつフォーマットを使用する呼び出しは、典型的には"Missing ‘foo’のようにマッチするcurved quoをもつメッセージを生成する。対照的に"Missing '%s'"のようにapostropheだけをもつフォーマットを使用した呼び出しでは、英語では普通は使用されないclosing curved quoteだけをもつ"Missing ’foo’"のようなメッセージが生成される。

バッチモードでは後に改行が付加されたメッセージが標準エラーストリームにプリントされる。

inhibit-messageが非nilのときはエコーエリアにはメッセージを何も表示せずに‘*Messages*’へのロギングだけとなる。

format-stringnilか空文字列なら、messageはエコーエリアをクリアーする。エコーエリアが自動的に拡張されていたら、これにより通常のサイズに復元される。ミニバッファーがアクティブなら、これによりスクリーン上に即座にミニバッファーのコンテンツが復元される。

(message "Reverting `%s'..." (buffer-name))
 -| Reverting ‘subr.el’...
⇒ "Reverting ‘subr.el’..."

---------- Echo Area ----------
Reverting ‘subr.el’...
---------- Echo Area ----------

エコーエリアやポップバッファー内に自動的にメッセージを表示するには、そのサイズに応じてdisplay-message-or-buffer (以下参照)を使用する。

警告: 逐語的なメッセージとして独自の文字列を使用したければ、単に(message string)と記述してはならない。stringに‘%’、‘`’、‘'’が含まれていると望まぬ結果に再フォーマットされるかもしれない。かわりに(message "%s" string)を使用すること。

Variable: inhibit-message

この変数が非nilなら、messageおよび関連する関数はメッセージの表示にエコーエリアを使用しない。

Macro: with-temp-message message &rest body

この構文はbody実行の間にエコーエリア内にメッセージを一時的に表示する。これはmessageを表示してbodyを実行して、それからエコーエリアの前のコンテンツをリストアするとともにbodyの最後のフォームの値をリターンする。

Function: message-or-box format-string &rest arguments

この関数はmessageと同様にメッセージを表示するが、エコーエリアではなくダイアログボックスにメッセージを表示するかもしれない。この関数があるコマンド内からマウスを使用して呼び出されると — より正確にはlast-nonmenu-event (Command Loop Infoを参照)がnilかリストならメッセージの表示にダイアログボックスかポップアップメニュー、それ以外ならエコーエリアを使用する(これはy-or-n-pが同様の決定を行う際に使用する条件と同じ。Yes-or-No Queriesを参照)。

呼び出しの前後でlast-nonmenu-eventを適切な値にバインドすることによりエコーエリアでのマウスの使用を強制できる。

Function: message-box format-string &rest arguments

この関数はmessageと同様にメッセージを表示するが、利用可能なら常にダイアログボックス(かポップアップメニュー)を使用する。端末がサポートしないためにダイアログボックスやポップアップメニューが使用できなければ、message-boxmessageと同様にエコーエリアを使用する。

Function: display-message-or-buffer message &optional buffer-name action frame

この関数はメッセージmessageを表示する。messageには文字列かバッファーを指定できる。これがmax-mini-window-heightで定義されるエコーエリアの最大高さより小さければ、messageを使用してエコーエリアに表示される。それ以外ならメッセージを表示するためにdisplay-bufferはポップアップバッファーを使用する。

エコーエリアに表示したメッセージ、またはポップアップバッファー使用時はその表示に使用したウィンドウをリターンする。

messageが文字列ならオプション引数buffer-nameはポップアップバッファー使用時にメッセージ表示に使用するバッファー名(デフォルトは*Message*)。messageが文字列でエコーエリアに表示されていれば、いずれにせよコンテンツをバッファーに挿入するかどうかは指定されない。

オプション引数actionframedisplay-bufferの場合と同様に、バッファーが表示されている場合のみ使用される。

Function: current-message

この関数はエコーエリア内にカレントで表示されているメッセージ、またはそれが存在しなければnilをリターンする。