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27.18 ウィンドウのquit

バッファーを表示するために使用しているウィンドウを削除したいときには、フレームからそのウィンドウを削除するためにdelete-windowdelete-windows-onを呼び出すことができます(Deleting Windowsを参照)。そのバッファーが別フレームで表示されているときには、かわりにdelete-frameを呼び出したいと思うかもしれません(Deleting Framesを参照)。その一方でバッファーを表示するためにウィンドウが再利用されている場合には、関数switch-to-prev-bufferを呼び出して前に表示されていたバッファーを表示したいと思うかもしれません(Window Historyを参照)。最終的にはそのウィンドウのバッファーをバリー(Buffer Listを参照)やkill(Killing Buffersを参照)したいと思うかもしれません。

以下のコマンドは、最初にどのようにバッファーを表示するウィンドウを取得するかという情報を使用して、上述で説明した処理の自動化を試みます。

Command: quit-window &optional kill window

このコマンドはwindowをquitしてそのバッファーをバリーする。引数windowは生きたウィンドウでなければならずデフォルトは選択されたウィンドウ。プレフィックス引数killが非nilならバッファーをバリーするかわりにkillする。これはウィンドウとそのバッファーを処理するために、次に説明する関数quit-restore-windowを呼び出す。

Function: quit-restore-window &optional window bury-or-kill

この関数はwindowにたいして、そのバッファーが表示される前に存在した状態へのリストアを試みる。オプション引数windowは生きたウィンドウでなければならずデフォルトは選択されたウィンドウ。

windowがそのバッファーを表示するために特別に作成されたバッファーなら、この関数はそのフレームに他に少なくとも1つの生きたウィンドウがなければwindowを削除しない。windowがそのフレームで唯一のウィンドウであり、かつそのフレームの端末上に他のフレームが存在する場合には、オプション引数bury-or-killがそのウィンドウをどうするかを決定する。bury-or-killkillなら無条件でフレームは削除される。それ以外ではフレームの運命はそのフレームを単一の引数とするframe-auto-hide-function (以下参照)呼び出しにより決定される。

特別に作成されたウィンドウでなければ、この関数はwindow内で前に表示されていたバッファーの再表示を試みる。これは前に表示されていたバッファーのウィンドウのスタート位置(Window Start and Endを参照)とポイント位置(Window Pointを参照)のリストアも試みる。加えてwindowのバッファーが過去に一時的にリサイズされていたら、この関数はwindowの元の高さのリストアも試みる。

これまで説明したケースでは、window内で表示されているバッファーは依然としてそのウィンドウにたいする最後のバッファー表示関数で表示されたバッファーである。その時点で他のバッファーが表示されているか、前に表示されていたバッファーがもはや存在しなければ、この関数はかわりに何か他のバッファーを表示するためにswitch-to-prev-buffer(Window Historyを参照)を呼び出す。

オプション引数bury-or-killにはwindowを処理する方法を指定し、以下の値が処理される。

nil

これはバッファーを特別な方法で処理しないことを意味する。その結果としてwindowが削除されない場合には、switch-to-prev-bufferの呼び出しにより通常はそのバッファーが再び表示されるだろう。

append

これはwindowが削除されない場合には、そのバッファーをwindowの前のバッファーリストの最後に移動するので、将来のswitch-to-prev-buffer呼び出しでこのバッファーには切り替わることは少なくなる。これはそのバッファーをフレームのバッファーリストの最後への移動も行う。

bury

これはwindowが削除されない場合には、そのバッファーをwindowの前のバッファーリストから削除する。これはそのバッファーをフレームのバッファーリストの最後への移動も行う。この値はバッファーをkillすることなくswitch-to-prev-bufferがこのバッファーに再び切り替えさせないようにする、もっとも信頼できる解決手段を提供する。

kill

これはwindowのバッファーをkillすることを意味する。

quit-restore-windowwindowquit-restoreウィンドウパラメーター(Window Parametersを参照)の情報にもとづいて判定を行い、処理後にそれをnilにリセットしている。

以下のオプションはquitすべきウィンドウ、あるいはバリーすべきバッファーをもつウィンドウを1つだけ含むフレームを処理する方法を指定します。

User Option: frame-auto-hide-function

このオプションで指定された関数は自動的にフレームを隠すために呼び出される。この関数はフレームを唯一の引数として呼び出される。

ここで指定される関数は選択されたウィンドウが専用(dedicated)であり、かつバリーされるバッファーを表示しているときにbury-buffer (Buffer Listを参照)から呼び出される。またquitされるウィンドウのフレームがそのウィンドウのバッファーを表示するために特別に作成されたフレームで、かつそのバッファーがkillされないときにもquit-restore-window (上記)から呼び出される。

デフォルトではiconify-frame (Visibility of Framesを参照)を呼び出す。かわりにフレームをディスプレイから削除するdelete-frame (Deleting Framesを参照)、フレームを変更せずに残すignore、またはフレームを唯一の引数とする任意の関数のいずれかを指定できる。

このオプションで指定された関数は指定されたフレームが生きたウィンドウただ1つを含み、かつ同一端末上に少なくとも1つ他のフレームが存在する場合のみ呼び出されることに注意。