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以下はdisplay
テキストプロパティ内で使用できる他のディスプレイ仕様です。
string
このプロパティをもつテキストのかわりにstringを表示する。
再帰的なディスプレイ仕様はサポートされない。つまりstringのdisplay
プロパティがあっても使用されない。
(image . image-props)
この種のディスプレイ仕様はイメージディスクリプタである(Imagesを参照)。ディスプレイ仕様として使用時には、そのディスプレイ仕様をもつテキストのかわりに表示するイメージを意味する。
(slice x y width height)
この仕様はimage
とともに、表示するイメージのスライス(slice:
イメージの特定の領域)を指定する。要素yとxはイメージ内での左上隅、widthとheightはそのスライスの幅と高さを指定する。整数はピクセル数、0.0から1.0までの浮動小数点数はイメージ全体の幅や高さの割合を意味する。
((margin nil) string)
この形式のディスプレイ仕様は、このディスプレイ仕様をもつテキストのかわりにテキストと同じ位置に表示するstringを意味する。これは単にstringを使用するのと同じだが、マージン表示(Display Marginsを参照)の特殊なケースとして行われる点が異なる。
(left-fringe bitmap [face])
(right-fringe bitmap [face])
テキスト行の任意の文字がこのディスプレイ仕様をもつ場合には、その文字のかわりにその行の左や右のフリンジに表示するbitmapを指定する。オプションのfaceはビットマップにたいして使用するカラーを指定する。詳細はFringe Bitmapsを参照のこと。
(space-width factor)
このディスプレイ仕様は、この仕様をもつテキスト内のすべてのスペース文字に効果を及ぼす。これらすべてのスペースは通常の幅のfactor倍の幅で表示される。要素factorは整数か浮動小数点数であること。スペース以外の文字は影響を受けない。特にこれはタブ文字に影響を与えない。
(height height)
このディスプレイ仕様はテキストを高く(taller)、または低く(shorter)する。heightには以下を指定できる:
(+ n)
これはnステップ大きいフォントの使用を意味する。ステップは利用可能なフォントのセットから定義される。利用可能なフォントとは、具体的には、このような場合でなければ、heightを除いてそのテキストに指定されたすべての属性にマッチするフォント。適切なフォントの各サイズは別のステップとして利用可能とみなされる。nは整数であること。
(- n)
これはnステップ小さいフォントの使用を意味する。
数値factorはデフォルトフォントのfactor倍高いフォントの使用を意味する。
高さを計算する関数。この関数はカレントの高さを引数として呼び出されて、使用する新たな高さをリターンすること。
heightの値が上記のいずれにもマッチしなければ、それはフォームである。Emacsはheight
をカレントで指定されたフォントの高さにバインドして新たな高さを取得するためにフォームを評価する。
(raise factor)
この種のディスプレイ仕様は、その行のベースラインに相対的にテキストを上(raise)か下(lower)に指定する。
factor、影響を受けるテキストの高さにたいする乗数として解釈される数値でなければならない。これが正なら文字を上に、負なら下に表示することを意味する。
そのテキストがheight
ディスプレイ仕様ももつ場合には、上や下に表示する量には影響を与えない。上や下に表示する量はテキストにたいして使用されるフェイスにもとづく。
任意のディスプレイ仕様にたいして条件を作成できます。これを行うには、(when condition
.
spec)
という形式の別リスト内にパッケージします。この場合には、仕様specはconditionが非nil
値に評価されたときだけ適用されます。この評価の間にobject
は条件つきdisplay
プロパティをもつ文字列、またはバッファーにバインドされます。position
とbuffer-position
はそれぞれobject
内の位置、およびdisplay
プロパティが見つかったバッファー位置にバインドされます。object
が文字列の際には両者の位置は異なるかもしれません。