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ツールチップ(Tooltips)はマウスポインターのカレント位置に関連するヘルプ的なヒント(別名“tips”)の表示に使用される特別なフレームです(Framesを参照)。Emacsはテキストのアクティブ範囲(Special Propertiesを参照)、およびメニューアイテム(Extended Menu Itemsを参照)やツールバーのボタン(Tool Barを参照)のような種々のUI要素に関するヘルプ文字列の表示にツールチップを使用します。
Tooltipモードはツールチップの表示を有効にするマイナーモード。このモードをオフにするとツールチップはエコーエリアに表示される。テキストモード(別名“TTY”)のフレームでは、ツールチップは常にエコーエリアに表示される。
GTK+サポート付きでEmacsがビルドされた際にはデフォルトでGTK+関数を使用してツールチップを表示して、ツールチップの外観はGTK+のセッティングにより制御されます。GTK+ツールチップは変数x-gtk-use-system-tooltips
の値をnil
に変更して無効にできます。このセクションの残りではEmacs自身が提供する非GTK+ツールチップを制御する方法を説明します。
ツールチップは特別なフレームなのでフレームパラメーターをもっています(Frame Parametersを参照)。他のフレームと異なりツールチップのフレームパラメーターは特別な変数に格納されます。
このカスタマイズ可能なオプションはツールチップ表示に使用するフレームパラメーターを保持する。すべてのフォントおよびカラーのパラメーターは無視して、かわりに対応するtooltip
フェイスの属性が使用される。left
やtop
のパラメーターが含まれていれば、ツールチップが表示されるフレームに相対的な絶対座標として使用される(Tooltips in The GNU Emacs
Manualで説明されている変数を使用してツールチップのマウスに相対的な位置をカスタマイズできる)。(left
とtop
が与えられるとマウスに相対的なオフセットの値はオーバーライドされる)。
tooltip
フェイスはツールチップ内に表示されるテキストの見栄えを決定します。デフォルトのフレームフォントより一般的にはサイズの小さい可変ピッチフォントの使用が必要になります。
これはEmacsがツールチップの表示を必要とする際に呼び出す関数のリストであるようなアブノーマルフック。関数はそれぞれ最後のマウス移動イベントであるeventを単一の引数として呼び出される。このリスト上の関数が実際にツールチップを表示するなら非nil
をリターンして、残りの関数は呼び出されない。この変数のデフォルト値はtooltip-help-tips
という1つの関数。
tooltip-functions
のリストに配置する関数を独自に記述する場合には、ツールチップの表示をトリガーしたマウスイベントのバッファーを知る必要があるかもしれません。以下はこの情報を提供する関数です。
この関数はeventが発生したバッファーをリターンする。テキストがツールチップをトリガーしたバッファーを取得するために、これをtooltip-functions
の関数の引数で呼び出す。イベントはバッファーではないところ(たとえばツールバー)で発生したかもしれず、そのような場合にはこの関数はnil
をリターンする。
ツールチップ表示に関する他の側面は、いくつかのカスタマイズ可能なセッティングにより制御されます。Tooltips in The GNU Emacs Manualを参照してください。