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27.26 ウィンドウのパラメーター

このセクションではウィンドウに追加の情報を関連付けるためにウィンドウパラメーターを使用する方法を説明します。

Function: window-parameter window parameter

この関数はwindowparameterの値をリターンする。windowのデフォルトは選択されたウィンドウ。windowparameterにたいするセッティングがなければ、この関数はnilをリターンする。

Function: window-parameters &optional window

この関数はwindowのすべてのパラメーターと値をリターンする。windowのデフォルトは選択されたウィンドウ。リターン値はnil、または(parameter . value)という形式をもつ要素からなる連想リスト。

Function: set-window-parameter window parameter value

この関数はwindowparameterの値にvalueをセットしてvalueをリターンする。windowのデフォルトは選択されたウィンドウ。

デフォルトではウィンドウ構成(window configuration)やウィンドウ状態(states of windows)の保存とリストアを行う関数は、ウィンドウパラメーターについては関知しません(Window Configurationsを参照)。これはsave-window-excursionのbody内でパラメーターの値を変更したときは、そのマクロのexit時に以前の値がリストアされないことを意味します。これはまた以前にwindow-state-getで保存されたウィンドウ状態をwindow-state-putでリストアしたときは、クローンされたすべてのウィンドウのパラメーターがnilにリセットされることも意味します。以下の変数によってこの標準の挙動をオーバーライドできます:

Variable: window-persistent-parameters

この変数はcurrent-window-configurationwindow-state-getにより保存、set-window-configurationwindow-state-putによりリストアされるパラメーターを指定するalistである。Window Configurationsを参照のこと。

このalistの各エントリーのCARはパラメーターを指定するシンボル。CDRは以下のいずれかであること:

nil

この値はそのパラメーターがwindow-state-getcurrent-window-configurationのいずれによっても保存されていないことを意味する。

t

この値はそのパラメーターがcurrent-window-configuration、および(writable引数がnilなら)window-state-getにより保存されたことを意味する。

writable

これはそのパラメーターが無条件でcurrent-window-configurationwindow-state-getの両方により保存されたことを意味する。この値は入力構文(read syntax)をもたないパラメーターに使用するべきではない。使用した場合には、別のセッションでwindow-state-putを呼び出すとinvalid-read-syntaxエラーで失敗するだろう。

いくつかの関数(特にdelete-windowdelete-other-windowssplit-window)は、window引数にパラメーターセットをもつ場合には特別な挙動を示すかもしれません。以下の変数を非nil値にバインドすることにより、そのような特別な挙動をオーバーライドできます:

Variable: ignore-window-parameters

この変数が非nilなら、いくつかの標準関数はウィンドウパラメーターを処理しない。現在のところ影響を受ける関数はsplit-windowdelete-windowdelete-other-windowsother-window

これらの関数の呼び出し周辺でアプリケーションはこの変数を非nilにバインドできる。これを行うと、そのアプリケーションはその関数のexit時に関連するすべてのウィンドウのパラメーターを正しく割り当てる責任をもつ。

以下のパラメーターは現在のところウィンドウ管理コードにより使用されています:

delete-window

このパラメーターはdelete-windowの実行に影響する(Deleting Windowsを参照)。

delete-other-windows

このパラメーターはdelete-other-windowsの実行に影響する(Deleting Windowsを参照)。

split-window

このパラメーターはsplit-windowの実行に影響する(Splitting Windowsを参照)。

other-window

このパラメーターはother-windowの実行に影響する(Cyclic Window Orderingを参照)。

no-other-window

このパラメーターはそのウィンドウをother-windowによる選択が不可だとマークする(Cyclic Window Orderingを参照)。

clone-of

このパラメーターはそのウィンドウがクローンされたことを指定する。これはwindow-state-getによりインストールされる(Window Configurationsを参照)。

preserved-size

このパラメーターはバッファー、方向(nilは垂直でtは水平)、ピクセル単位のサイズを指定する。そのウィンドウが指定されたバッファーを表示していて、かつ指示された方向のサイズがこのパラメーターで指定されたサイズと等しければ、Emacsはそのウィンドウの指示された方向のサイズを予約する。関数window-preserve-sizeによりこのパラメーターのインストールと更新が行われる(Preserving Window Sizesを参照)。

quit-restore

このパラメーターはバッファー表示関数によりインストールされて、quit-restore-windowにより参照される(Quitting Windowsを参照)。これは4つの要素を含む:

1つ目の要素はwindow (ウィンドウはdisplay-bufferにより特別に作られた)、frame (別のフレームが作られた)、same (バッファーを表示したことのある唯一のバッファー)、other (ウィンドウは前と異なるバッファーを表示する)のシンボルのいずれか。framewindowはウィンドウがquitされる方法、sameotherはそのウィンドウに以前に表示されていたバッファーの再表示に効果をもつ。

2つ目の要素はシンボルwindowframe、または要素がそのウィンドウに前に表示されていたバッファー、そのときのウィンドウstart位置、ウィンドウポイント位置、ウィンドウの高さであるようなリストのいずれか。ウィンドウのquit時にそのバッファーがまだ生きていたら、関数quit-restore-windowはそのバッファーを表示するためにウィンドウを再利用する。

3つ目の要素は、そのパラメーター作成時点に選択されていたウィンドウ。引数としてこのウィンドウが渡されたら、quit-restore-windowはそのウィンドウの再選択を試みる。

4つ目の要素はその表示がこのパラメーターの生成を引き起こしたバッファー。quit-restore-windowは指定されたウィンドウがまだそのバッファーを表示している場合のみそれを削除する。

min-margins

このパラメーターの値は、(非nilなら) CARCDRがそのウィンドウの左右のマージンの最小値(列数)を指定するようなコンスセル。与えられた際には、Emacsはウィンドウを水平方向に分割または縮小できるかを決定するために、実際のマージン幅のかわりにこれらの値を使用するだろう。

すべてのウィンドウにたいして、分割やリサイズ後にEmacsがマージンの自動調整をすることは決してない。これはそのウィンドウト分割のためにこのウィンドウのマージンを継承する新たなウィンドウニタイシテ、マージンを調整するためにこのパラメーターをセットするすべてのアプリケーション単独の責任である。window-configuration-change-hookwindow-size-change-functionsはいずれもこの用途に使用すること(Window Hooksを参照)。

これはウィンドウ内でバッファーをセンタリングするために大きなマージンを使用するアプリケーションのサポート用にEmacsのバージョン25.1から導入されたパラメーターであり、それらのアプリケーションと排他となるよう留意して使用すること。Emacsの将来のバージョンで改善策により置換され得る。

追加のパラメーターとしてwindow-atomwindow-sideがあります。これらは予約済みでアプリケーションが使用するべきではありません。