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35.1 abbrevテーブル

このセクションではabbrevテーブルの作成と操作を行う方法について説明します。

Function: make-abbrev-table &optional props

この関数は空のabbrevテーブル(シンボルを含まないobarray)を作成してリターンする。これは0で充填されたベクター。propsは新たなテーブルに適用されるプロパティリスト(Abbrev Table Propertiesを参照)。

Function: abbrev-table-p object

この関数はobjectがabbrevテーブルなら非nilをリターンする。

Function: clear-abbrev-table abbrev-table

この関数はabbrev-table内のabbrevをすべて未定義として空のまま残す。

Function: copy-abbrev-table abbrev-table

この関数はabbrev-tableのコピー(同じabbrev定義を含む新たなabbrevテーブル)をリターンする。これは名前、値、関数だけをコピーしてプロパティリストは何もコピーしない

Function: define-abbrev-table tabname definitions &optional docstring &rest props

この関数はabbrevテーブル名(値がabbrevテーブルであるような変数)としてtabname (シンボル)を定義する。これはそのテーブル内にdefinitionsに応じて、abbrevを定義する。definitions(abbrevname expansion [hook] [props...])という形式の要素をもつリスト。これらの要素は引数としてdefine-abbrevに渡される。

オプション文字列docstringは変数tabnameのドキュメント文字列。プロパティリストpropsはabbrevテーブルに適用される(Abbrev Table Propertiesを参照)。

同一のtabnameにたいしてこの関数が複数回呼び出されれると、元のコンテンツ全体を上書きせずに後続の呼び出しはdefinitions内の定義をtabnameに追加する(後続の呼び出しではdefinitions内で明示的に再定義または未定義にした場合のみabbrevを上書きできる)。

Variable: abbrev-table-name-list

これは値がabbrevテーブルであるようなシンボルのリスト。define-abbrev-tableはこのリストに新たなabbrevテーブル名を追加する。

Function: insert-abbrev-table-description name &optional human

この関数はポイントの前に名前がnameのabbrevテーブルの説明を挿入する。引数nameは値がabbrevテーブルであるようなシンボル。

humanが非nilなら人間向けの説明になる。システムabbrevはそのようにリストされて識別される。それ以外なら説明はLisp式(カレントで定義されているようにnameを定義するがシステムabbrevとしては定義しないようなdefine-abbrev-table呼び出し)となる(nameを使用するモードまたはパッケージはそれらを個別にnameに追加すると想定されている)。