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37.16.5 マージン内への表示

バッファーはその左側と右側にディスプレイマージン(display margins)と呼ばれるブランクエリアをもつことができます。それらのエリア内には通常はテキストが出現することはありませんが、displayプロパティを使用してディスプレイマージン内に何かを配置することができます。現在のところマージン内のテキストやイメージをマウスセンシティブにする方法はありません。

マージン内に何かを表示するにはテキストのdisplayプロパティのマージン表示仕様(margin display specification)で指定します。これは配置したテキストが表示されないことを意味する置換表示仕様です。マージン表示は表示されますがそのテキストは表示されません。

マージン表示仕様とは((margin right-margin) spec)((margin left-margin) spec)のようなものです。ここでspecはマージン内に何を表示するかを告げる別の表示仕様です。典型的にはこれは表示するテキスト文字列やイメージディスクリプタです。

特定のバッファーテキストに割り当てられたマージンに何かを表示するためには、そのテキストにbefore-stringプロパティを付してコンテンツとしてマージン表示仕様をputします。

ディスプレイマージンが何かを表示可能になる前に、それらに非0の幅を与えなければなりません。これを行う通常の方法は以下の変数をセットする方法です:

Variable: left-margin-width

この変数は左マージンの幅を文字セル(別名は“列”)単位で指定する。これ、すべてのバッファーでバッファーローカルである。値nilは左マージンエリアなしを意味する。

Variable: right-margin-width

この変数は右マージンの幅を文字セル単位で指定する。これはすべてのバッファーでバッファーローカルである。値nilは右マージンエリアなしを意味する。

これらの変数をセットしてもウィンドウには即座には反映されません。これらの変数はウィンドウ内に新たなバッファーを表示する際にチェックされます。したがってset-window-bufferを呼び出すことにより変更を反映することができます。

マージン幅を即座にセットすることもできます。

Function: set-window-margins window left &optional right

この関数はウィンドウwindowのマージン幅、文字セル単位で指定する。引数leftは左マージン、rightは右マージン(デフォルトは0)を制御する。

Function: window-margins &optional window

この関数はwindowの左マージンと右マージンの幅を(left . right)という形式のコンスセルでリターンする。2つのマージンエリアのいずれか一方が存在しなければ幅はnilでリターンされる。2つのマージンがどちらも存在しなければ、この関数は(nil)をリターンする。windownilなら選択されたウィンドウが使用される。