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2.3.8.2 文字列内の非ASCII文字

Emacdの文字列内の非ASCII文字にたいしては2つのテキスト表現 — マルチバイト(multibyte)とユニバイト(unibyte)があります(Text Representationsを参照)。大まかに言うとユニバイト文字列にはraw(生)バイトが保存され、マルチバイト文字列には人間が読めるテキストが保存されます。ユニバイト文字列内の各文字はバイトであり、値は0から255となります。対照的にマルチバイト文字列内の各文字は、0から4194303の値をもつかもしれません(Character Typeを参照)。いずれも127より上の文字は非ASCIIです。

文字をリテラルとして記述することにより、文字列に非ASCII文字を含めることができます。マルチバイトのバッファーや文字列、あるいはマルチバイトとしてvisitされたファイル等、マルチバイトのソースから文字列定数を読み込む場合、Emacsは非ASCII文字をマルチバイト文字として読み取り、その文字列を自動的にマルチバイト文字列にします。ユニバイトのソースから文字列定数を読み込む場合、Emacsは非ASCII文字をユニバイト文字として読み取り、その文字列をユニバイト文字列にします。

マルチバイト文字列内にリテラルとして文字を記述するかわりに、エスケープシーケンスを使用して文字コードとして記述できます。エスケープシーケンスについての詳細は、General Escape Syntaxを参照してください。

文字列定数内でUnicodeスタイルのエスケープシーケンス‘\uNNNN’または‘\U00NNNNNN’を使用する場合、(たとえASCII文字であっても)Emacsは自動的に文字列をマルチバイトとみなします。

文字列定数内で16進エスケープシーケンス(‘\xn’)と8進エスケープシーケンス(‘\n’)を使用することもできます。しかし注意してください: 文字列定数が16進または8進のエスケープシーケンスを含み、それらのエスケープシーケンスすべてがユニバイト文字(256より小)を指定していて、その文字列内に他にリテラルの非ASCII文字またはUnicodeスタイルのエスケープシーケンスが存在しない場合、Emacsは自動的に文字列をユニバイト文字列とみなします。つまり文字列内のすべての非ASCII文字は8ビットのrawバイトとみなされます。

16進および8進のエスケープシーケンスでは、エスケープされた文字コードに可変個の数字が含まれるかもしれないので、それに続く文字で16進および8進として有効ではない最初の文字は、そのエスケープシーケンスを終了させます。文字列内の次の文字が16進または8進として解釈できる文字の場合は、‘\  (バックスラッシュとスペース)を記述して、エスケープシーケンスを終了できます。たとえば‘\xe0\ はgrave accentつきの‘a’という1文字を表します。文字列内の‘\  はバックスラッシュ改行と同様です。これは文字列内の文字とはなりませんが、先行する16進エスケープを終了します。