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39.19.5 ボタンのためのバッファーコマンド

Emacsバッファー内にボタンの配置や操作を行うコマンドや関数が存在します。

push-buttonはユーザーが実際にボタンを押下(push)するために使用するコマンドであり、そのボタンのオーバーレイプロパティかテキストプロパティを使用することにより、そのボタンのRETmouse-2にデフォルトでバインドされます。ボタン自身の外部で有用なforward-buttonbackward-buttonのようなコマンドは、button-buffer-mapに格納されたキーマップ内で追加で利用可能です。ボタンを使用するモードはそのキーマップの親キーマップとしてbutton-buffer-mapの使用を望むかもしれません。

ボタンが非nilfollow-linkプロパティをもち、かつmouse-1-click-follows-linkがセットされている場合には、素早いmouse-1クリックによりpush-buttonコマンドもアクティブになるでしょう。Clickable Textを参照してください。

Command: push-button &optional pos use-mouse-action

位置posにあるボタンが指定するアクションを行う。posはバッファー位置、またはマウスイベントのいずれか。use-mouse-actionが非nil、またはposがマウスイベントならactionのかわりにそのボタンのmouse-actionプロパティの呼び出しを試みて、ボタンにmouse-actionプロパティがなければ通常のようにactionを使用する。push-buttonがマウスイベントの結果としてインタラクティブに呼び出されたときはそのマウスイベントの位置、それ以外ではポイントの位置がposのデフォルトになる。posにボタンがなければ何もせずにnilをリターンして、それ以外ならtをリターンする。

Command: forward-button n &optional wrap display-message no-error

次のn番目、nが負なら前のn番目のボタンに移動する。nが0ならポイント位置にある任意のボタンの開始に移動する。wrapが非nilならバッファーの先頭または終端を超えてもう一方の端へ移動を継続する。display-messageが非nilならボタンのhelp-echo文字列が表示される。非nilskipプロパティをもつボタンはすべてスキップされる。見つかったボタンをリターンするか、ボタンが見つからなければエラーをシグナルする。no-errorが非nilなら、エラーをシグナルするかわりにnilをリターンする。

Command: backward-button n &optional wrap display-message no-error

前のn番目、nが負なら次のn番目のボタンに移動する。nが0ならポイント位置にある任意のボタンの開始に移動する。wrapが非nilならバッファーの先頭または終端を超えて、もう一方の端へ移動を継続する。display-messageが非nilならボタンのhelp-echo文字列が表示される。非nilskipプロパティをもつボタンはすべてスキップされる。見つかったボタンをリターンするか、ボタンが見つからなければエラーをシグナルする。no-errorが非nilなら、エラーをシグナルするかわりにnilをリターンする。

Function: next-button pos &optional count-current
Function: previous-button pos &optional count-current

カレントバッファー内の位置posの次(next-buttonの場合)、または前(previous-buttonの場合)のボタンをリターンする。count-currentが非nilなら、次のボタンから検索を開始するかわりにposにある任意のボタンを考慮する。