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ミニバッファー入力にたいする関数のいくつかには、initialと呼ばれる引数があります。これは通常のように空の状態で開始されるのではなく、特定のテキストとともにミニバッファーが開始されることを指定しますが、ほとんどの場合においては推奨されない機能です。
initialが文字列なら、ミニバッファーはその文字列のテキストを含む状態で開始され、ユーザーがそのテキストの編集を開始するとき、ポイントはテキストの終端にあります。ユーザーがミニバッファーをexitするために単にRETをタイプした場合には、この入力文字列の初期値をリターン値だと判断します。
initialにたいして非nil
値の使用には反対します。なぜなら初期入力は強要的なインターフェイスだからです。ユーザーにたいして有用なデフォルト入力を提案するためには、ヒストリーリストやデフォルト値の提供のほうがより有用です。
しかしinitial引数にたいして文字列を指定すべき状況が1つだけあります。それはhistory引数にコンスセルを指定したときです。Minibuffer Historyを参照してください。
initialは(string
.
position)
という形式をとることもできます。これはstringをミニバッファーに挿入するが、その文字列のテキスト中のpositionにポイントを配置するという意味です。
歴史的な経緯により、positionは異なる関数の間で実装が統一されていません。completing-read
ではpositionの値は0基準です。つまり値0は文字列の先頭、1は最初の文字の次、...を意味します。しかしread-minibuffer
、およびこの引数をサポートする補完を行わない他のミニバッファー入力関数では、1は文字列の先頭、2は最初の文字の次、...を意味します。
initialの値としてのコンスセルの使用は推奨されません。