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同期プロセス(synchronous process)の作成後、Emacsは継続する前にそのプロセスの終了を待機します。GNUやUnix21でのDiredの起動が例です。プロセスは同期的なので、Emacsがそれにたいして何か行おうと試みる前にディレクトリーのリスト全体がバッファーに到着します。
同期サブプロセス終了をEmacsが待機する間に、ユーザーはC-gをタイプすることでquitが可能です。最初のC-gはSIGINT
シグナルによりサブプロセスのkillを試みます。しかしこれはquitする前に実際にそのサブプロセスが終了されるまで待機します。その間にユーザーがさらにC-gをタイプするとそれはSIGKILL
で即座にサブプロセスをkillしてquitします(別プロセスにたいするkillが機能しないMS-DOSを除く)。Quittingを参照してください。
同期サブプロセス関数はプロセスがどのように終了したかの識別をリターンします。
同期サブプロセスからの出力はファイルからのテキスト読み込みと同じように、一般的にはコーディングシステムを使用してデコードされます。call-process-region
によりサブプロセスに送信された入力は、ファイルへのテキスト書き込みと同じようにコーディングシステムを使用してエンコードされます。Coding Systemsを参照してください。
この関数はprogramを呼び出して完了するまで待機する。
サブプロセスのカレント作業ディレクトリー(CWD: current working
directory)はカレントバッファーのdefault-directory
がローカル(unhandled-file-name-directory
により判断される)ならその値、それ以外は"~"。リモートディレクトリーでプロセスを実行したければprocess-file
を使用すること。
新たなプロセスの標準入力はinfileが非nil
ならファイルinfile、それ以外ならnullデバイス。引数destinationはプロセスの出力をどこに送るかを指定する。以下は可能な値:
そのバッファーのポイントの前に出力を挿入する。これにはプロセスの標準出力ストリームと標準エラーストリームの両方が含まれる。
その名前のバッファーのポイントの前に出力を挿入する。
t
カレントバッファーのポイントの前に出力を挿入する。
nil
出力を破棄する。
出力を破棄してサブプロセス完了を待機せずに即座にnil
をリターンする。
この場合にはプロセスはEmacsと並列に実行可能なので真に同期的ではない。しかしこの関数リターン後は本質的にはすみやかにEmacsがサブプロセスを終了するという点から、これを同期的と考えることができる。
MS-DOSは非同期サブプロセスをサポートせずこのオプションは機能しない。
(:file file-name)
指定されたファイルに出力を送信して、ファイルが既に存在すれば上書きする。
(real-destination error-destination)
標準出力ストリームを標準エラーストリームと分けて保持する。通常の出力はreal-destinationの指定にしたがって扱い、エラー出力はerror-destinationにしたがって処分する。error-destinationがnil
ならエラー出力の破棄、t
なら通常の出力と混合することを意味して、文字列ならそれはエラー出力をリダイレクトするファイルの名前である。
エラー出力先に直接バッファーを指定することはできない。ただしエラー出力を一時ファイルに送信して、サブプロセス終了時にそのファイルをバッファーに挿入すればこれを達成できる。
displayが非nil
なら、call-process
は出力の挿入にしたがってバッファーを再表示する(しかし出力のデコードに選択されたコーディングシステムが実データからエンコーディングを推論することを意味するundecided
なら、非ASCIIに一度遭遇すると再表示が継続不能になることがある。これを修正するのが困難な根本的理由が存在する。Output from Processesを参照)。
それ以外なら関数call-process
は再表示を行わずに、通常のイベントに由来するEmacsの再表示時だけスクリーン上で結果が可視になります。
残りの引数argsはそのプログラムにたいしてコマンドライン引数を指定する文字列です。文字列はそれぞれ別個の引数としてprogramに渡されます。
(待機するよう告げた場合には)
call-process
がリターンする値はプロセスが終了した理由を示します。この数字はそのサブプロセスのexitステータスであり0が成功、それ以外のすべての値は失敗を意味します。シグナルによりそのプロセスが終了された場合には、call-process
はそれを記述する文字列をリターンします。call-process
に待機しないように指示した場合にはnil
をリターンします。
以下の例ではカレントバッファーは‘foo’です。
(call-process "pwd" nil t) ⇒ 0 ---------- Buffer: foo ---------- /home/lewis/manual ---------- Buffer: foo ----------
(call-process "grep" nil "bar" nil "lewis" "/etc/passwd") ⇒ 0 ---------- Buffer: bar ---------- lewis:x:1001:1001:Bil Lewis,,,,:/home/lewis:/bin/bash ---------- Buffer: bar ----------
以下はcall-process
の使用例であり、このような使用例はinsert-directory
関数の定義内で見つけることができます:
(call-process insert-directory-program nil t nil switches (if full-directory-p (concat (file-name-as-directory file) ".") file))
この関数は別プロセス内でファイルを同期的に処理する。これはcall-process
と似ているが、サブプロセスのカレントワーキングディレクトリーを指定する変数default-directory
の値にもとづいて、ファイル名ハンドラーを呼び出すかもしれない。
引数はcall-process
の場合とほとんど同様の方法で処理されるが以下の違いがある:
引数infile、buffer、displayのすべての組み合わせと形式をサポートしないファイル名ハンドラーがあるかもしれない。たとえば実際に渡された値とは無関係に、displayがnil
であるかのように振る舞うファイル名ハンドラーがいくつかある。他の例としてはbuffer引数で標準出力とエラー出力を分離するのをサポートしないかもしれないファイル名ハンドラーがいくつか存在する。
ファイル名ハンドラーが呼び出されると、1つ目の引数programにもとづいて実行するプログラムを決定する。たとえばリモートファイルにたいするハンドラーが呼び出されたと考えてみよ。その場合にはプログラムの検索に使用されるパスはexec-path
とは異なるかもしれない。
2つ目の引数infileはファイル名ハンドラーを呼び出すかもしれない。そのファイル名ハンドラーは、process-file
関数自身にたいして選択されたハンドラーと異なるかもしれない(たとえばdefault-directory
がリモートホスト上にありinfileは別のリモートホスト上の場合があり得る。もしくはdefault-directory
は普通だがinfileはリモートホスト上にあるかもしれない).
bufferが(real-destination
error-destination)
という形式のリストであり、かつerror-destinationがファイルの名前ならinfileと同じ注意が適用される。
残りの引数( args
)はそのままプロセスに渡される。Emacsはargs内で与えられたファイル名の処理に関与しない。混乱を避けるためにはargs内で絶対ファイル名を使用しないのが最善であり、default-directory
からの相対ファイル名ですべてのファイルを指定するほうがよいだろう。そのような相対ファイル名の構築には関数file-relative-name
が有用。かわりにリモートホスト視点から見た絶対ファイル名を取得するためにfile-local-name
も使用できる(Magic File Namesを参照)。
この変数はprocess-file
呼び出しがリモートファイルを変更するかどうかを示す。
この変数はデフォルトではprocess-file
呼び出しがリモートホスト上の任意のファイルを潜在的に変更し得ることを意味するt
に常にセットされる。nil
にセットされた際には、リモートファイル属性のキャッシュにしたがうことによりファイル名ハンドラーの挙動を最適化できる可能性がある。
この変数は決してsetq
ではなく、常にletバインディングでのみ変更すること。
この関数はstartからendのテキストを、実行中のプロセスprogramに標準入力として送信する。これはdeleteが非nil
なら送信したテキストを削除する。これは出力をカレントバッファーの入力箇所に挿入するために、destinationをt
に指定している際に有用。
引数destinationとdisplayはサブロセスからの出力にたいして何を行うか、および出力の到着にともない表示を更新するかどうかを制御する。詳細は上述のcall-process
の説明を参照のこと。destinationが整数の0ならcall-process-region
は出力を破棄して、サブプロセス完了を待機せずに即座にnil
をリターンする(これは非同期サブプロセスがサポートされる場合、つまりMS-DOS以外でのみ機能する)。
残りの引数argsはそのプログラムにたいしてコマンドライン引数を指定する文字列です。
call-process-region
のリターン値はcall-process
の場合と同様。待機せずにリターンするよう指示した場合にはnil
、数字か文字列ならそれはサブプロセスが終了した方法を表す。
以下の例ではバッファー‘foo’内の最初の5文字(単語‘input’)を標準入力として、call-process-region
を使用してcat
ユーティリティを実行する。cat
は自身の標準入力を標準出力へコピーする。引数destinationがt
なので出力はカレントバッファーに挿入される。
---------- Buffer: foo ---------- input∗ ---------- Buffer: foo ----------
(call-process-region 1 6 "cat" nil t) ⇒ 0 ---------- Buffer: foo ---------- inputinput∗ ---------- Buffer: foo ----------
たとえばshell-command-on-region
コマンドは、以下のような方法でcall-shell-region
を使用する:
(call-shell-region
start end
command ; shellコマンド
nil ; regionを削除しない
buffer) ; 出力をbuffer
に出力
この関数はshellコマンドcommandを非同期に実行する。他の引数はcall-process
の場合と同様に処理される。古い呼び出し規約はdisplayの後に任意個数の追加引数を許容して、これはcommandに結合される。これはまだサポートされるものの使用しないことを強く推奨する。
この関数はcall-process-shell-command
と同様だが内部的にprocess-file
を使用する点が異なる。default-directory
に依存してcommandはリモートホスト上でも実行可能。古い呼び出し規約はdisplayの後に任意個数の追加引数を許容して、これはcommandに結合される。これはまだサポートされるものの使用しないことを強く推奨する。
この関数はstartとendの間のテキストを、commandを実行するシェルの標準入力として送信する。これはプロセスがシェルであるようなcall-process-region
と類似している。引数delete
、destination
、およびリターン値はcall-process-region
と同様。この関数は追加の引数を受け付けないことに注意。
この関数はshellコマンドとしてcommand (文字列)を実行してコマンドの出力を文字列としてリターンする。
この関数はprogramを実行して完了を待機して、出力を文字列のリストとしてリターンする。リスト内の各文字列はプログラムのテキスト出力の1つの行を保持する。各行のEOL文字(行末文字)は取り除かれる。programの後の引数argsはそのプログラム実行に際して、コマンドライン引数を指定する文字列。
programが非0のexitステータスでexitすると、この関数はエラーをシグナルする。
この関数はcall-process
を呼び出すことにより機能して、プログラムの出力はcall-process
の場合と同じ方法でデコードされる。
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