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21.6 補完

補完(complete, ompletion)は省略された形式から始まる名前の残りを充填する機能です。補完はユーザー入力と有効な名前リストを比較して、ユーザーが何をタイプしたかで名前をどの程度一意に判定できるか判断することによって機能します。たとえばC-x b (switch-to-buffer)とタイプしてからスイッチしたいバッファー名の最初の数文字をタイプして、その後にTAB (minibuffer-complete)をタイプすると、Emacsはその名前を可能な限り展開します。

標準的なEmacsコマンドはシンボル、ファイル、バッファー、プロセスの名前にたいする補完を提案します。このセクションの関数により、他の種類の名前にたいしても補完を実装できます。

try-completion関数は補完にたいする基本的なプリミティブです。これは初期文字列にたいして文字列セットをマッチして、最長と判定された補完をリターンします。

関数completing-readは補完にたいする高レベルなインターフェイスを提供します。completing-readの呼び出しによって有効な名前リストの判定方法が指定されます。その後にこの関数は補完にたいして有用ないくつかのコマンドにキーバインドするローカルキーマップとともに、ミニバッファーをアクティブ化します。その他の関数は特定の種類の名前を補完つきで読み取る、簡便なインターフェイスを提供します。