Previous: , Up: Character Display   [Contents][Index]


40.22.5 グリフなし文字の表示

グリフ無し文字(glyphless characters)とはliteralに表示されるのではなく特別な方法、すなわち16進コードを中に含むボックスとして表示される文字です。これらの文字にはグリフが無いと明示的に定義された文字や、利用可能なフォントがない文字(グラフィカルなディスプレイ)、その端末のコーディングシステムではエンコードできない文字(テキスト端末)が同様に含まれます。

Variable: glyphless-char-display

この変数の値はグリフ無し文字と表示方法を定義する文字テーブル。エントリーはそれぞれ以下の表示メソッドのいずれかでなければならない:

nil

通常の方法でその文字を表示する。

zero-width

その文字を表示しない。

thin-space

グラフィカルな端末では幅が1ピクセル、テキスト端末では幅が1文字の狭いスペース。

empty-box

空のボックスを表示する。

hex-code

その文字のUnicodeコードポイントの16進表記を含むボックスを表示する。

ASCII文字列

その文字列を含むボックスを表示する。文字列には最大で6文字が含まれること。

コンスセル (graphical . text)

グラフィカルな端末ではgraphical、テキスト端末ではtextをで表示する。graphicaltextはいずれも上述した表示メソッドのいずれかでなければならない。

thin-spaceempty-boxhex-code、およびASCII文字列はglyphless-charフェイスで描画される。テキスト端末ではボックスはsquare brackets ‘[]’でエミュレートされる。

文字テーブルには利用可能なすべてのフォントでも表示できない、またはその端末のコーディングシステムでエンコードできないすべての文字の表示方法を定義する余分なスロットが1つある。その値は上述した表示メソッドのうちzero-widthとコンスセル以外のいずれかでなければならない。

アクティブなディスプレイテーブル内に非nilなエントリーをもつ文字では、そのディスプレイテーブルが効果をもつ。この場合にはEmacsはglyphless-char-displayをまったく参照しない。

User Option: glyphless-char-display-control

このユーザーオプションは似かよった文字のグループにたいしてglyphless-char-displayをセットする便利な手段を提供する。Lispコードからこの値を直接セットしてはならない。glyphless-char-display更新するカスタム関数:setを通じた場合のみ値は効果をもつ。

この値は要素が(group . method)であるようなalistであること。ここでgroupは文字のグループを指定するシンボル、methodはそれらを表示する方法を指定するシンボル。

groupは以下のいずれかであること:

c0-control

改行文字とタブ文字を除くU+0000からU+001FまでのASCIIコントロール文字(通常は‘^A’のようなエスケープシーケンスとして表示される。How Text Is Displayed in The GNU Emacs Manualを参照)。

c1-control

U+0080からU+009Fまでの非ASCII、非プリント文字(通常は‘\230’のような8進エスケープシーケンスとして表示される)。

format-control

U+200E LEFT-TO-RIGHT MARKのようなUnicode General Category [Cf]の文字だが、U+00AD SOFT HYPHENのようにグラフィックイメージをもつ文字を除く。

variation-selectors

UnicodeのVS-1からVS-16(U+FE00からU+FE0F)は同一コードポイントにたいして異なるグリフを選択するために使用される(一般的には絵文字)。

no-font

適切なフォントが存在しない、あるいはその端末のコーディングシステムではエンコードできない文字。

methodシンボルはzero-widththin-spaceempty-boxhex-codeのいずれかであること。これらは上述のglyphless-char-displayでの場合と同様の意味をもつ。