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ドキュメント文字列がキーシーケンスを参照する際、それらはカレントである実際のキーバインディングを使用するべきです。これらは以下で説明する特別なキーシーケンスを使用して行うことができます。通常の方法によるドキュメント文字列へのアクセスは、これらの特別なキーシーケンスをカレントキーバインディングに置き換えます。これはsubstitute-command-keys
を呼び出すことにより行われます。あなた自身がこの関数を呼び出すこともできます。
以下はそれら特別なシーケンスと、その意味についてのリストです:
\[command]
これはcommandを呼び出すキーシーケンス、またはcommandがキーバインディングをもたなければ‘M-x command’。
\{mapvar}
これは変数mapvarの値であるようなキーマップの要約(summary)を意味する。この要約はdescribe-bindings
を用いて作成される。
\<mapvar>
これ自体は何のテキストも意味せず副作用のためだけに使用される。これはこのドキュメント文字列内にある、後続のすべての‘\[command]’にたいするキーマップとしてmapvarの値を指定する。
`
グレイブアクセント(grave
accent)は左クォートを意味する。これはtext-quoting-style
の値に応じて左シングルクォーテーションマーク、アポストロフィ、グレイブアクセントのいずれかを生成する。Text Quoting Styleを参照のこと。
'
アポストロフィ(apostrophe)は右クォートを意味する。これはtext-quoting-style
の値に応じて右シングルクォーテーションマーク、アポストロフィのいずれかを生成する。Text Quoting Styleを参照のこと。
\=
これは後続の文字をクォートして無効にする。したがって‘\=\[’は‘\[’、‘\=\=’は‘\=’を出力する。
注意してください: Emacs Lisp内の文字列として記述する際は‘\’を2つ記述しなければなりません。
この変数の値はヘルプやメッセージの文章内のシングルクォートにたいしてEmacsが使用するべきスタイルを指定するシンボル。この変数の値がcurve
なら‘like
this’のようなcurved single quotesスタイル。値がstraight
なら'like
this'のようなstraight apostrophesスタイル。値がgrave
ならクォートは変換せずに、`like
this'のようなEmacsバージョン25以前の標準のgrave
accentとapostropheによるスタイル。デフォルト値のnil
はcurved single
quotesが表示可能なようならcurve
、それ以外ならgrave
のように機能する。
このオプションはcurved quotesに問題があるプラットフォームで有用。個人の好みに応じてこれを自由にカスタマイズできる。
この関数は上述の特別なシーケンスをstringからスキャンして、それらが意味するもので置き換えてその結果を文字列としてリターンする。これによりそのユーザー自身がカスタマイズした実際のキーシーケンスを参照するドキュメントが表示できる。そのキーバインディングにはデフォルトでは特別なフェイスhelp-key-binding
が与えられるが、オプション引数no-faceが非nil
なら、この関数は生成した文字列にこのフェイスを追加しない。
あるコマンドが複数のバインディングをもつ場合、通常この関数は最初に見つかったバインディングを使用する。以下のようにしてコマンドのシンボルプロパティ:advertised-binding
に割り当てることにより、特定のキーバインディングを指定できる:
(put 'undo :advertised-binding [?\C-/])
:advertised-binding
プロパティはメニューアイテム(Menu Barを参照)に表示されるバインディングにも影響する。コマンドが実際にもたないキーバインディングを指定するとこのプロパティは無視される。
以下は特別なキーシーケンスの例:
(substitute-command-keys "To abort recursive edit, type `\\[abort-recursive-edit]'.") ⇒ "To abort recursive edit, type ‘C-]’."
(substitute-command-keys "The keys that are defined for the minibuffer here are: \\{minibuffer-local-must-match-map}") ⇒ "The keys that are defined for the minibuffer here are:
? minibuffer-completion-help SPC minibuffer-complete-word TAB minibuffer-complete C-j minibuffer-complete-and-exit RET minibuffer-complete-and-exit C-g abort-recursive-edit "
(substitute-command-keys "To abort a recursive edit from the minibuffer, type \ `\\<minibuffer-local-must-match-map>\\[abort-recursive-edit]'.") ⇒ "To abort a recursive edit from the minibuffer, type ‘C-g’."
ドキュメント文字列内のテキストにたいしては他にも特別な慣習があります。それらはたとえばこのマニュアルの関数、変数、およびセクションで参照できます。詳細はDocumentation Tipsを参照してください。