Next: Cursor Parameters, Previous: Mouse Dragging Parameters, Up: Window Frame Parameters [Contents][Index]
以下のフレームパラメーターはウィンドウマネージャーやウィンドウシステムとフレームとの相互作用のさまざまな面を制御します。これらはテキスト端末上では効果がありません。
visibilityフレームの可視性(visibility)の状態。可能な値は3つありnilは不可視、tは可視、iconはアイコン化されていることを意味する。Visibility of Framesを参照のこと。
auto-raise非nilなら、Emacsはそのフレーム選択時に自動的にそれを前面に移動(raise)する。これを許さないウィンドウマネージャーがいくつかある。
auto-lower非nilなら、Emacsはそのフレームの選択解除時に自動的にそれを背面に移動(lower)する。これを許さないウィンドウマネージャーがいくつかある。
icon-typeそのフレームに使用するアイコンのタイプ。値が文字列なら使用するビットマップを含むファイル、nilならアイコンなしを指定する(何を表示するかはウィンドウマネージャーが決定する)。その他の非nil値はデフォルトのEmacsアイコンを指定する。
icon-nameこのフレームにたいするアイコンで使用する名前。アイコンを表示する場合は、その際に表示される。これがnilならフレームのタイトルが使用される。
window-idグラフィカルディスプレイがこのフレームにたいして使用するID番号。Emacsはフレーム作成時にこのパラメーターを割り当てる。このパラメーターを変更しても実際のID番号に効果はない。
outer-window-idそのフレームが存在する最外殻のウィンドウシステムのウィンドウのID番号。window-idと同じように、このパラメーターを変更しても実際の効果はない。
wait-for-wm非nilならジオメトリー変更を確認するために、ウィンドウマネージャーを待機するようXtに指示する。Fvwm2およびKDEのバージョンを含むウィンドウマネージャーのいくつかは確認に失敗してXtがハングする。これらウィンドウマネージャーのハングを防ぐためには、これをnilにセットすること。
sticky非nilなら仮想デスクトップを伴うシステム上のすべての仮想デスクトップ上でそのフレームが可視になる。
inhibit-double-buffering非nilならフレームはダブルバッファリングなしでスクリーンに描画される。通常はちらつきを減少させるために、利用可能ならEmacsはダブルバッファリングの使用を試みる。ディスプレイのバグや昔のようにちらつく感覚があるようならこのプロパティをセットすること。
skip-taskbar非nilならウィンドウマネージャーならフレームのディスプレイに関連するタスクバーからフレームのアイコンを削除して、Alt-TABのコンビネーションキーを通じたフレームへの切り替えを抑制するようにウィンドウマネージャーに指示する。MS-Windowsではこのようなフレームをアイコン化するとデスクトップ下部にある、フレームにたいするウィンドウシステムのウィンドウに"ロールイン(roll
in)"される。いくつかのウィンドウマネージャーはこのパラメーターにしたがわない。
no-focus-on-map非nilならフレームはマップ時に入力フォーカスの受け取りを希望しないことを意味する。いくつかのウィンドウマネージャーはこのパラメーターにしたがわない。
no-accept-focus非nilならフレームは明示的なマウスクリックやfocus-follows-mouse (Input Focusを参照)、mouse-autoselect-window (Mouse Window Auto-selectionを参照)によりマウスがフレーム内に移動した際に入力フォーカスの受け取りを希望しないことを意味する。これはユーザーが選択されていないフレームをマウスでスクロールできないという、望ましくない副作用をもたらすかもしれない。いくつかのウィンドウマネージャーはこのパラメーターにしたがわない。
undecorated非nilならフレームのウィンドウシステムのウィンドウはタイトル、最小化ボックスや最大化ボックス、エクスターナルボーダーのような装飾なしで描画される。これは通常はマウスによるそのウィンドウシステムのウィンドウのドラッグ、リサイズ、アイコン化、最大化、削除ができないことを意味する。nilの場合にはウィンドウマネージャーのセッティングでディスプレイがサスペンドされていなければ、フレームのウィンドウは上述のすべての要素とともに描画される。
Xでは装飾をオフに切り替えるために、EmacsはMotifウィンドウマネージャーのヒントを使用する。いくつかのウィンドウマネージャーはこれらのヒントにしたがわない。
NSビルドはツールバーを装飾とみなすので未装飾のフレームでは表示されない。
override-redirect非nilならオーバーライド・リダイレクト(override
redirect)のフレームであることを意味する。これはフレームがX配下のウィンドウマネージャーで処理されないことを意味する。オーバーライド・リダイレクト・フレームはウィンドウマネージャーの装飾をもたず、Emacsの配置関数やリサイズ関数でしか配置やリサイズができない。また他のすべてのフレームの最上位に通常は描画される。このパラメーターをセットしてもMS-Windowsでは効果がない。
ns-appearancemacOSのみ利用可能でありdarkにセットすると“vibrant
dark”テーマ、lightにセットすると“aqua”テーマ、それ以外ならシステムのデフォルトを使用してフレームのウィンドウシステムのウィンドウを描画する。暗色(dark)のバックグラウンドのEmacsテーマ使用時にツールバーやスクロールバーに暗色の外観をセットするために“vibrant
dark”テーマを使用できる。
ns-transparent-titlebarmacOSでのみ利用可能であり非nilならタイトルバーとツールバーをトランスペアレント(transparent:
透明)にセットする。これはEmacsのバックグラウンドカラーにマッチするようにタイトルバーとツールバーのバックグラウンドカラーを効果的にセットする。