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バッファーローカルなバインディングをもつ変数のグローバル値もデフォルト値(default)値と呼ばれます。なぜならその変数にたいしてカレントバッファーや選択されたフレームもバインディングをもたなければ、その値が常に効果をもつからです。
関数default-value
とsetq-default
は、カレントバッファーがバッファーローカルなバインディングをもつかどうかに関わらず、その変数のデフォルト値にアクセスまたは変更します。たとえばほとんどのバッファーにたいして、paragraph-start
のデフォルトのセッティングを変更するために、setq-default
を使用できます。そしてこの変数にたいするバッファーローカルな値をもつCモードやLispモードにいるときでさえ、これは機能します。
スペシャルフォームdefvar
とdefconst
もバッファーローカルな値ではなく、(もし変数にセットする場合は)デフォルト値をセットします。
この関数はsymbolのデフォルト値をリターンする。これはこの変数にたいして独自の値をもたないバッファーやフレームから参照される値である。symbolがバッファーローカルでなければ、これはsymbol-value
(変数の値へのアクセスを参照)と同じ。
関数default-boundp
はsymbolのデフォルト値がvoidでないか報告する。(default-boundp
'foo)
がnil
をリターンした場合には(default-value 'foo)
はエラーになる。
default-boundp
はdefault-value
、boundp
はsymbol-value
にたいする述語である。
このスペシャルフォームは各symbolに新たなデフォルト値として、対応するformを評価した結果を与える。これはsymbolを評価しないがformは評価する。setq-default
フォームの値は最後のformの値。
カレントバッファーにたいしてsymbolがバッファーローカルでなく、自動的にバッファーローカルにマークされていなければ、setq-default
はsetq
と同じ効果をもつ。カレントバッファーにたいしてsymbolがバッファーローカルなら、(バッファーローカルな値をもたない)他のバッファーから参照できる値を変更するが、それはカレントバッファーが参照する値ではない。
;; バッファー‘foo’で行う:
(make-local-variable 'buffer-local)
⇒ buffer-local
(setq buffer-local 'value-in-foo) ⇒ value-in-foo
(setq-default buffer-local 'new-default) ⇒ new-default
buffer-local ⇒ value-in-foo
(default-value 'buffer-local) ⇒ new-default
;; (新しい)バッファー‘bar’で行う:
buffer-local
⇒ new-default
(default-value 'buffer-local) ⇒ new-default
(setq buffer-local 'another-default) ⇒ another-default
(default-value 'buffer-local) ⇒ another-default
;; バッファー‘foo’に戻って行う:
buffer-local
⇒ value-in-foo
(default-value 'buffer-local)
⇒ another-default
この関数はsetq-default
と似ているが、symbolは通常の引数として評価される。
(set-default (car '(a b c)) 23) ⇒ 23
(default-value 'a) ⇒ 23
ある変数に値をletバインドできます(ローカル変数を参照)。このバインディングにより変数のグローバル値はシャドーされます。default-value
はグローバル値ではなくそのバインディングの値をリターンして、set-default
によるグローバル値のセットは防がれます(かわりにletバインドされた値が変更される)。以下の2つの関数によりletバインドでグローバル値がシャドーされていてもグローバル値を参照できます。
この関数はsymbolにたいするすべてのletバインディングの外部の値としてトップレベルのデフォルト値をリターンする。
(defvar variable 'global-value) ⇒ variable
(let ((variable 'let-binding)) (default-value 'variable)) ⇒ let-binding
(let ((variable 'let-binding)) (default-toplevel-value 'variable)) ⇒ global-value
この関数はsymbolのトップレベルのデフォルト値に指定されたvalueをセットする。これはコードがsymbolのletバインディングのコンテキスト下で実行中かどうかとは無関係にsymbolのグローバル値をセットしたいときに便利。