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30.4.2 フレームの初期パラメーター

initファイル(initファイルを参照)の内部でinitial-frame-alistをセットすることにより、フレームの初期スタートアップにパラメーターを指定できます。

User Option: initial-frame-alist

この変数の値は初期フレーム作成時に使用されるパラメーター値のalist。以降のフレームを変更することなく初期フレームの外見を指定するためにこの変数を使用できる。要素はそれぞれ以下の形式をもつ:

(parameter . value)

Emacsはinitファイル読み取り前に初期フレームを作成する。Emacsはこのファイル読み取り後にinitial-frame-alistをチェックして、変更する値に含まれるパラメーターのセッティングを作成済みの初期フレームに適用する。

これらのセッティングがフレームのジオメトリーと外見に影響する場合には、間違った外見のフレームを目にした後に、指定した外見に変更される様を目にするだろう。これが煩わしければ、Xリソースで同じジオメトリーと外見を指定できる。これらはフレーム作成前に効果をもつ。X Resources in The GNU Emacs Manualを参照のこと。

Xリソースセッティングは、通常はすべてのフレームに適用される。初期フレームのためにあるXリソースを単独で指定して、それ以降のフレームには適用したくなければ、次の方法によりこれを達成できる。それ以降のフレームにたいするXリソースをオーバーライドするためにdefault-frame-alist内でパラメーターを指定してから、それらが初期フレームに影響するのを防ぐためにinitial-frame-alist内の同じパラメーターにたいしてXリソースにマッチする値を指定すればよい。

これらのパラメーターに(minibuffer . nil)が含まれていれば、それは初期フレームがミニバッファーをもつべきではないことを示しています。この場合には、Emacsは同じようにミニバッファーonlyフレーム(minibuffer-only frame)を個別に作成します。

User Option: minibuffer-frame-alist

この変数の値は、初期ミニバッファーonlyフレーム( initial-frame-alistがミニバッファーのないフレームを指定する場合にEmacsが作成するミニバッファーonlyフレーム)を作成時に使用されるパラメーター値のalist。

User Option: default-frame-alist

これはすべてのEmacsフレーム(最初のフレームとそれ以降のフレーム)にたいしてフレームパラメーターのデフォルト値を指定するalist。Xウィンドウシステム使用時には、大抵はXリソースで同じ結果を得られる。

この変数のセットは既存フレームに影響しない。さらに別フレームにバッファーを表示する関数は、自身のパラメーターを提供することによりデフォルトパラメーターをオーバーライドできる。

フレームの外見を指定するコマンドラインオプションとともにEmacsを呼び出すと、これらのオプションはinitial-frame-alistdefault-frame-alistのいずれかに要素を追加することにより効果を発揮します。‘--geometry’や‘--maximized’のような初期フレームだけに影響するオプションはinitial-frame-alist、その他のオプションはdefault-frame-alistに要素を追加します。Command Line Arguments for Emacs Invocation in The GNU Emacs Manualを参照してください。