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31.1 ポイント

ポイント(point)とは多くの編集コマンドにより使用されるバッファーの特別な位置のことです。これらのコマンドには自己挿入型のタイプ文字やテキスト挿入関数が含まれます。その他のコマンドは別の箇所でテキストの編集や挿入ができるようにポイントを移動します。

ポイントは他の位置と同様に特定の文字ではなく、2つの文字の間(または最初の文字の前か最後の文字の後)を指します。端末では通常はポイント直後の文字の上にカーソルを表示します。つまりポイントは実際はカーソルのある文字の前にあります。

ポイントの値は1より小さくなることはなく、そのバッファーのサイズに1を加えた値より大きくなることはありません。ナローイング(ナローイングを参照)が効力をもつ場合には、ポイントはそのバッファーのアクセス可能な範囲内(範囲の境界はバッファーの先頭か終端のいずれかの可能性がある)に拘束されます。

バッファーはそれぞれ自身のポイント値をもち、それは他のバッファーのポイント値とは無関係です。ウィンドウもそれぞれポイント値をもち、他のウィンドウ内の同じバッファー上のポイント値とは無関係です。同じバッファーを表示する種々のウィンドウが異なるポイント値をもてるのはこれが理由です。あるバッファーがただ1つのウィンドウに表示されているときは、そのバッファーのポイントとそのウィンドウのポイントは通常は同じ値をもち、区別が重要になることは稀です。詳細はウィンドウとポイントを参照してください。

Function: point

この関数はカレントバッファー内のポイントの値を整数でリターンする。

(point)
     ⇒ 175
Function: point-min

この関数はカレントバッファー内のアクセス可能なポイントの最小値をリターンする。これは通常は1だがナローイングが効力をもつ場合は、ナローイングしたリージョンの開始位置となる(ナローイングを参照)。

Function: point-max

この関数はカレントバッファー内のアクセス可能なポイントの最大値をリターンする。これはナローイングされていなければは(1+ (buffer-size))だが、ナローイングが効力をもつ場合は、ナローイングしたリージョンの終端位置となる(ナローイングを参照)。

Function: buffer-end flag

この関数はflagが0より大なら(point-max)、それ以外は(point-min)をリターンする。引数flagは数値でなければならない。

Function: buffer-size &optional buffer

この関数はカレントバッファー内の文字数のトータルをリターンする。ナローイング(ナローイングを参照)されていなければ、point-maxはこれに1を加えた値をリターンする。

bufferにバッファーを指定すると値はbufferのサイズになる。

(buffer-size)
     ⇒ 35
(point-max)
     ⇒ 36