Fundamentalモードは別として他のメジャーモードの一般的な派生元となるメジャーモードが3つあります。それはTextモード、Progモード、およびSpecialモードです。Textモードはその本来もつ機能から有用なモードです(たとえば.txtファイルの編集など)。一方、ProgモードとSpecialモードは主にそのようなモード以外のモードの派生元とするために存在します。
新たなモードは直接と間接を問わず、可能な限りそれら3つのモードから派生させるべきです。その理由の1つは関連のあるモードファミリー全体(たとえばすべてのプログラミング言語のモード)にたいして、ユーザーが単一のモードフックをカスタマイズできるからからです。
Textモードは人間の言語を編集するためのメジャーモードである。このモードは文字‘"’と‘\’を区切り文字構文(punctuation
syntax: 構文クラスのテーブルを参照)としてもち、M-TABをispell-complete-word
にバインドする(Spelling in The GNU Emacs Manualを参照)。
Textモードから派生されたメジャーモードの例としてHTMLモードがある。SGML and HTML Modes in The GNU Emacs Manualを参照のこと。
Progモードはプログラミング言語のソースコードを含むバッファーにたいする基本的なメジャーモードである。Emacsビルトインのプログラミング言語用メジャーモードはこのモードから派生されている。
Progモードはparse-sexp-ignore-comments
をt
(パースにもとづくモーションコマンドを参照)、bidi-paragraph-direction
をleft-to-right
(双方向テキストの表示を参照)にバインドする。
Specialモードはファイルから直接ではなく、Emacsにより特別(specially)に生成されたテキストを含むバッファーにたいする基本的なメジャーモードである。Specialモードから派生されたメジャーモードはmode-class
プロパティにspecial
が与えられる(メジャーモードの慣習を参照)。
Specialモードはバッファーを読み取り専用にセットする。このモードのキーマップはいくつかの一般的なバインディングを定義して、それにはquit-window
にたいするq、revert-buffer
(リバートを参照)にたいするgが含まれる。
Specialから派生されたメジャーモードの例としてはBuffer Menuモードがあり、これは*Buffer List*バッファーにより使用される。Listing Existing Buffers in The GNU Emacs Manualを参照のこと。
これらに加えて表形式データのバッファーにたいするモードをTabulated Listモードから継承できます。このモードはSpecialモードから順に派生されているモードです。Tabulated Listモードを参照してください。