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30.23 カラー名

カラー名(color name)とはカラーを指定するテキスト(通常は文字列)です。‘black’、‘white’、‘red’等を指定できます。定義された名前のリストはM-x list-colors-displayを使用して確認できます。‘#rgb’や‘RGB:r/g/b’のような数値的な形式でカラーを指定することもできます。ここでrは赤(red)、gは緑(green)、bは青(blue)のレベルを指定します。1桁、2桁、3桁、または4桁の16進数をrに使用できます。その後のgbには同じ桁数の16進数を同様に使用しなければなりません。これにより総桁数が3、6、9、または12桁の16進数となります(カラーの数値的なRGB指定についての詳細はXウィンドウシステムのドキュメントを参照)。

以下の関数は有効なカラー名と、それらの外見を判断する手段を提供します。以下で説明するようにその値は選択されたフレーム(selected frame)に依存する場合があります。“選択されたフレーム”という用語の意味については入力のフォーカスを参照してください。

補完付きでカラー名のユーザー入力を読み取るにはread-colorを使用します(read-colorを参照)。

Function: color-defined-p color &optional frame

この関数はカラー名が有意かどうかを報告する。もし有意ならt、それ以外はnilをリターンする。引数frameはどのフレームのディスプレイにたいして問い合わせるかを指定する。frameが省略またはnilの場合は選択されたフレームが使用される。

これは使用しているディスプレイがそのカラーをサポートするかどうかは告げないことに注意。X使用時にはすべての種類のディスプレイ上のすべての定義されたカラーを問い合わせることができ、何らかの結果(通常は可能な限り近いカラー)を得ることができるだろう。あるフレームが特定のカラーを実際に表示できるかどうか判断するためにはcolor-supported-p (以下参照)を使用する。

この関数は以前はx-color-defined-pと呼ばれており、その名前は今でもエイリアスとしてサポートされている。

Function: defined-colors &optional frame

この関数はframe(デフォルトは選択されたフレーム)上で定義されていて、かつサポートされるカラー名のリストをリターンする。frameがカラーをサポートしなければ値はnil

この関数は以前はx-defined-colorsと呼ばれており、その名前は今でもエイリアスとしてサポートされている。

Function: color-supported-p color &optional frame background-p

これは、frameが実際にカラーcolor (または最低でもそれに近いカラー)を表示可能ならtをリターンする。frameが省略またはnilならこの問いは選択されたフレームに適用される。

フォアグラウンドとバックグラウンドにたいして異なるカラーセットをサポートする端末がいくつかある。background-pが非nilなら、それはcolorがバックグラウンドとして、それ以外はフォアグラウンドとして使用可能かどうかを問うことを意味する。

引数colorは有効なカラー名でなければならない。

Function: color-gray-p color &optional frame

これはcolorframeのディスプレイ上の定義としてグレイスケールならtをリターンする。frameが省略またはnilなら、この問いは選択されたフレームに適用される。colorが有効なカラー名でなければ、この関数はnilをリターンする。

Function: color-values color &optional frame

この関数はframe上で理想的にはcolorがどのように見えるべきかを記述する値をリターンする。colorが定義済みなら値は赤、緑、青の割合を与える3つの整数からなるリストとなる。それぞれの整数の範囲は原則として0から65535だが、この範囲全体を使用しないディスプレイもいくつか存在するだろう。この3要素のリストはカラーのRGB値(rgb values)と呼ばれる。

colorが未定義なら値はnil

(color-values "black")
     ⇒ (0 0 0)
(color-values "white")
     ⇒ (65535 65535 65535)
(color-values "red")
     ⇒ (65535 0 0)
(color-values "pink")
     ⇒ (65535 49344 52171)
(color-values "hungry")
     ⇒ nil

カラーの値はframeのディスプレイにたいしてリターンされる。frameが省略またはnilの場合には、この情報は選択されたフレームのディスプレイにたいしてリターンされる。このフレームがカラーを表示できなければ値はnil

この関数は以前はx-color-valuesと呼ばれており、その名前は今でもエイリアスとしてサポートされている。

Function: color-name-to-rgb color &optional frame

この関数はcolor-valuesと同じことを行うが、0.0から1.0(両端を含む)の浮動小数点数としてカラー値をリターンする。

Function: color-dark-p rgb

この関数はRGBトリプレットで示されるカラーrgbが、暗いバックグラウンド(dark background)のときより明るいバックグラウンド(white background)のときの方が可読性に優れる場合には非nilをリターンする。引数rgb(r g b)という形式のリストであること。リストの要素はそれぞれ0.0から1.0(両端を含む)の浮動小数点数。カラー名をこのようなリストに変換するためにはcolor-name-to-rgbを使うことができる。