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23.1 キーシーケンス

キーシーケンス(key sequence)、短くはキー(key)とは1つの単位を形成する1つ以上の入力イベントのシーケンスです。入力イベントには文字、ファンクションキー、マウスアクション、またはiconify-frameのようなEmacs外部のシステムイベントが含まれます(入力イベントを参照)。キーシーケンスにたいするEmacs Lispの表現は文字列かベクターです。特に明記しない限り、引数としてキーシーケンスを受け取るEmacs Lisp関数は両方の表現を処理することができます。

文字列表現ではたとえば"a"a"2"2を表すといったように、英数字はその文字自身を意味します。コントロール文字イベントは部分文字列"\C-"、メタ文字は"\M-"によりプレフィクスされます。たとえば"\C-x"はキーC-xを表します。それらに加えてTABRETESCDELなどのイベントはそれぞれ"\t""\r""\e""\d"で表されます。複雑なキーシーケンスの文字列表現はイベント成分の文字列表現を結合したものです。したがって"\C-xl"はキーシーケンスC-x lを表します。

キーシーケンスにはファンクションキー、マウスボタンイベント、システムイベント、またはC-=H-aのような文字列で表現できない非ASCII文字が含まれます。これらはベクターとして表現する必要があります。

ベクター表現ではベクターの各要素は1つの入力イベントをイベントのLisp形式で表します。入力イベントを参照してください。たとえばベクター[?\C-x ?l]はキーシーケンスC-x lを表します。

キーシーケンスを文字列やベクターによる表現で記述する例は、Init Rebinding in The GNU Emacs Manualを参照してください。

Function: kbd keyseq-text

この関数はテキストkeyseq-text(文字列定数)をキーシーケンス(文字列かベクターの定数)に変換する。keyseq-textの内容はC-x C-k RET (kmacro-edit-macro)コマンドにより呼び出されたバッファー内と同じ構文を使用するべきである。特にファンクションキーの名前は‘<…>’で囲まなければならない。Edit Keyboard Macro in The GNU Emacs Manualを参照のこと。

(kbd "C-x") ⇒ "\C-x"
(kbd "C-x C-f") ⇒ "\C-x\C-f"
(kbd "C-x 4 C-f") ⇒ "\C-x4\C-f"
(kbd "X") ⇒ "X"
(kbd "RET") ⇒ "\^M"
(kbd "C-c SPC") ⇒ "\C-c "
(kbd "<f1> SPC") ⇒ [f1 32]
(kbd "C-M-<down>") ⇒ [C-M-down]

kbdは非常に融通の効く関数であり、完全には準拠していない構文が使用されたとしても適切な何かをリターンしようと試みる。構文が実際に有効か否かをチェックするにはkey-valid-p関数を使用すること。