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この関数は引数が同じ文字を表すならt、それ以外はnilをリターンする。case-fold-searchが非nilなら、この関数はcaseの違いを無視する。
(char-equal ?x ?x)
⇒ t
(let ((case-fold-search nil))
(char-equal ?x ?X))
⇒ nil
この関数は、2つの文字列の文字が正確にマッチすればtをリターンする。引数にはシンボルも指定でき、この場合はそのシンボル名が使用される。case-fold-searchとは無関係にcaseは常に意味をもつ。
この関数は、equalで2つの文字列を比較するのと等価である(同等性のための述語を参照)。特に、2つの文字列のテキストプロパティは無視される。テキストプロパティだけが異なる文字列を区別する必要があるならequal-including-propertiesを使用すること。しかしequalとは異なり、いずれかの引数が文字列でもシンボルでもなければ、string=はエラーをシグナルする。
(string= "abc" "abc")
⇒ t
(string= "abc" "ABC")
⇒ nil
(string= "ab" "ABC")
⇒ nil
ユニバイト文字列とマルチバイト文字列がstring=において等しくなるのは、すべての文字が0から127の範囲(ASCII)にある同じ文字シーケンスを含む場合だけである。テキストの表現方法を参照のこと。
string-equalはstring=の別名である。
string-equal-ignore-caseはcase-fold-searchがtの際のchar-equalのように、case(大文字小文字)の違いを無視して文字列を比較する。
この関数はlocale (デフォルトはカレントのシステムlocale)で指定された照合ルール(collation
rule)にもとづいて、string1とstring2が等しければtをリターンする。照合ルールはstring1とstring2に含まれる文字の辞書順だけではなく、それらの文字間の関係に関する他のルールにより判断される。これは通常はEmacs実行中のlocale環境、およびEmacsがリンクされた標準Cライブラリー3により決定される。
たとえばUnicode文字の異なるグレイブアクセントのように、コーディングポイントが異なっても意味が同じなら、一部のlocaleでは等しいとみなされるかもしれない。
(string-collate-equalp (string ?\uFF40) (string ?\u1FEF))
⇒ t
オプション引数locale(文字列)は、照合用のカレントlocale識別子(current locale
identifier)をオーバーライドする。値はシステムに依存する。たとえばPOSIXシステムでは"en_US.UTF-8"、MS-Windowsシステムでは"enu_USA.1252"のlocaleが適用できるだろう。
ignore-caseが非nilなら、文字を小文字に変換することによってcaseを区別せずに文字の比較を行う。ただし背景となるシステムライブラリーがlocale固有の照合ルールを提供していない場合には、この関数はstring-equalにフォールバックする。この場合にはignore-case引数を無視して、常にcaseを区別した比較を行う。
MS-WindowsシステムでUnicode互換の照合をエミュレートする場合、MS-Windowsではlocaleのコードセット部分を"UTF-8"にできないので、w32-collate-ignore-punctuationに非nil値をバインドすること。
あるlocale環境をシステムがサポートしなれければ、この関数はstring-equalと同様に振る舞う。
一般的にファイルシステムは照合ルールが実装するような文字列の言語学的な等価性を尊重しないので、この関数をファイル名の等価性の比較に使用しないこと。
この関数は2つの文字列を1文字ずつ比較する。この関数は同時に2つの文字列をスキャンして、対応する文字同士がマッチしない最初のペアを探す。2つの文字列内で小さいほうの文字がstring1の文字ならstring1が小さいことになり、この関数はtをリターンする。小さいほうの文字がstring2の文字ならstring1が大きいことになり、この関数はnilをリターンする。2つの文字列が完全にマッチしたら値はnilになる。
文字のペアーは文字コードで比較される。ASCII文字セットでは英小文字は英大文字より高い数値をもつことに留意されたい。数字と区切り文字の多くは英大文字より低い数値をもつ。ASCII文字は任意の非ASCII文字より小さくなる。ユニバイトの非ASCII文字は、任意のマルチバイト非ASCII文字より常に小さくなります(テキストの表現方法を参照)。
(string< "abc" "abd")
⇒ t
(string< "abd" "abc")
⇒ nil
(string< "123" "abc")
⇒ t
文字列の長さが異なり、string1の長さまでマッチする場合、結果はtになる。string2の長さまでマッチする場合、結果はnilになる。文字を含まない文字列は、他の任意の文字列より小さくなる。
(string< "" "abc")
⇒ t
(string< "ab" "abc")
⇒ t
(string< "abc" "")
⇒ nil
(string< "abc" "ab")
⇒ nil
(string< "" "")
⇒ nil
引数としてシンボルを指定することもでき、この場合はシンボルのプリント名が比較される。
string-lesspはstring<の別名である。
この関数は逆順でstring1とstring2を比較した結果をリタンーする。つまりこれは(string-lessp
string2 string1)を呼び出すのと等価である。
この関数は指定されたlocale
(デフォルトはカレントのシステムlocale)の照合順において、string1がstring2より小さければtをリターンする。照合順はstring1とstring2に含まれる文字の辞書順だけではなく、それらの文字間の関係に関するルールによっても判断される。これは通常はEmacs実行中のlocale環境、およびEmacsとリンクされた標準Cライブラリーによって決定される。
たとえばソートでは区切り文字と空白文字は無視されるだろう(シーケンスを参照)。
(sort (list "11" "12" "1 1" "1 2" "1.1" "1.2") 'string-collate-lessp)
⇒ ("11" "1 1" "1.1" "12" "1 2" "1.2")
この振る舞いはシステム依存であり、例えばCygwinではlocaleに関係なく区切り文字と空白文字が無視されることは一切ない。
オプション引数locale(文字列)は、照合用のカレントlocale識別子(current locale
identifier)をオーバーライドする。値はシステムに依存する。たとえばPOSIXシステムでは"en_US.UTF-8"、MS-Windowsシステムでは"enu_USA.1252"のlocaleが適用できるだろう。localeの値を"POSIX"か"C"にすると、string-collate-lesspはstring-lesspと同様に振る舞う。
(sort (list "11" "12" "1 1" "1 2" "1.1" "1.2")
(lambda (s1 s2) (string-collate-lessp s1 s2 "POSIX")))
⇒ ("1 1" "1 2" "1.1" "1.2" "11" "12")
ignore-caseが非nilなら、文字を小文字に変換することによってcaseを区別せずに文字の比較を行う。ただし背景となるシステムライブラリーがlocale固有の照合ルールを提供していない場合には、この関数はstring-equalにフォールバックする。この場合にはignore-case引数を無視して、常にcaseを区別した比較を行う。
MS-WindowsシステムでUnicode互換の照合をエミュレートする場合、MS-Windowsではlocaleのコードセット部分を"UTF-8"にできないので、w32-collate-ignore-punctuationに非nil値をバインドすること。
locale環境をサポートしないシステムでは、この関数はstring-lesspと同様に振る舞う。
この関数は文字列を辞書順で比較するが、数字のシーケンスを10進数で構成されているかのように扱い、その数値を比較する。つまりたとえ辞書順で‘12’が‘2’より“小”だとしても、この述語に応じて‘foo12.png’より‘foo2.png’が“小”になる。
この関数はstring1がstring2のプレフィクス(たとえばstring2がstring1で始まる)なら、非nilをリターンする。オプションの引数ignore-caseが非nilなら、比較においてcaseの違いは無視される。
この関数はsuffixがstringのサフィックス(たとえばstringがsuffixで終わる)なら、非nilをリターンする。オプションの引数ignore-caseが非nilなら、比較においてcaseの違いは無視される。
haystack内で最初にneedle
(いずれも文字列)が出現する位置をリターンする。start-posが非nilなら、検索はhaystack内のその位置から開始される。マッチ(一致するもの)が見つからなければnilをリターンする。この関数は比較を行う際にはテキストプロパティは無視して、文字列内の文字だけを考慮する。マッチングでは常にcaseを区別する。
この関数はstring1の指定部分をとstring2指定部分を比較する。string1の指定部分とは、インデックスstart1(その文字を含む)から、インデックスend1(その文字を含まない)まで。start1にnilを指定すると文字列の最初という意味になり、end1にnilを指定すると文字列の長さを意味する。同様にstring2の指定部分とはインデックスstart2からインデックスend2まで。
文字列は文字列内の文字の数値により比較される。たとえばstr1とstr2は、最初に異なる文字でstr1の文字の数値が小さければ小さいと判断される。ignore-caseが非nilなら比較を行なう前に、カレントバッファーのcaseテーブル(caseテーブルを参照)を使用して大文字に変換される。比較用にユニバイト文字列はマルチバイト文字列に変換されるので(テキストの表現方法を参照)、ユニバイト文字列とそれを変換したマルチバイト文字列は常に等しくなる。
2つの文字列の指定部分がマッチ(一致)した場合、値はtになる。それ以外なら値は整数で、何文字が一致してどちらの文字が小さいかを示す。この値の絶対値は、2つの文字列の先頭から一致した文字数に1加えた値になる。string1(または指定部分)のほうが小さければ符号は負になる。
この関数はソース文字列string1とターゲット文字列string2の間のレーベンシュタイン距離(Levenshtein distance)をリターンする。レーベンシュタイン距離はソース文字列をターゲット文字列に変換(削除、挿入、置換)するために必要な単一文字の個数。これは文字列間の編集距離(edit distance)として使用可能な定義の1つである。
計算距離にとって文字列の英字のcase(大文字小文字)は意味をもつが、テキストプロパティは無視される。オプション引数bytecompareが非nilなら、この関数は文字ではなくバイトで計算する。バイト単位での比較はEmacsの内部的な文字表現を使用するので、rawバイトを含むマルチバイト文字列では不正確な結果を生成するかもしれない(テキストの表現方法を参照)。rawで正確な結果が必要なら、エンコードして文字列をユニバイトにすること(明示的なエンコードとデコードを参照)。
この関数はassocと同様に機能するが、keyは文字列かシンボルでなければならず、比較はcompare-stringsを使用して行なわれる。テストする前にシンボルは文字列に変換される。case-foldが非nilなら、keyとalistの要素は比較前に大文字に変換される。assocとは異なり、この関数はコンスではない文字列またはシンボルのalist要素もマッチできる。特にalistは実際のalistではなく、文字列またはリストでも可。連想リストを参照のこと。
バッファー内のテキストを比較する方法として、テキストの比較の関数compare-buffer-substringsも参照してください。文字列にたいして正規表現のマッチを行なう関数string-matchも、ある種の文字列比較に使用することができます。正規表現の検索を参照してください。
照合ルールとlocaleにたいする依存関係についての詳細はThe Unicode Collation Algorithmを参照のこと。GNU Cライブラリー(glibcとも呼ばれる)のような一部の標準CライブラリーはUCA(Unicode Collation Algorithm: Unicode照合アルゴリズム)の大部分を実装しており、関連のあるlocaleデータやCLDR(Common Locale Data Repository: 共通ロケールデータレポジトリ)を使用する。
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