ブールベクター(bool-vector)はベクターとよく似ていますが、値にtとnilしか格納できません。ブールベクターの要素に非nil値の格納を試みると、そこにはtが格納されます。すべての配列と同様、ブールベクターのインデックスは0から開始され、一度ブールベクターが作成されたら長さを変更することはできません。ブールベクターは定数として評価されます。
ブールベクターを処理する特別な関数がいくつかあります。その関数以外にも、他の種類の配列に使用されるのと同じ関数でブールベクターを操作できます。
initialに初期化されたlength要素の新しいブールベクターをリターンする。
この関数は引数objectsを要素にもつブールベクターを作成してリターンする。
この関数はobjectがブールベクターであればt、それ以外はnilをリターンする。
以下で説明するように、ブールベクターのセット処理を行なう関数がいくつかあります:
ブールベクターaとbのビットごとの排他的論理和(bitwise exclusive or)をリターンする。オプション引数cが与えられたら、この処理の結果はcに格納される。引数にはすべて同じ長さのブールベクターを指定すること。
ブールベクターaとbのビットごとの論理和(bitwise or)をリターンする。オプション引数cが与えられたら、この処理の結果はcに格納される。引数にはすべて同じ長さのブールベクターを指定すること。
ブールベクターaとbのビットごとの論理積(bitwise and)をリターンする。オプション引数cが与えられたら、この処理の結果はcに格納される。引数にはすべて同じ長さのブールベクターを指定すること。
ブールベクターaとbの差集合(set difference)をリターンする。オプション引数cが与えられたら、この処理の結果はcに格納される。引数にはすべて同じ長さのブールベクターを指定すること。
ブールベクターaの補集合(set complement)をリターンする。オプション引数bが与えられたら、この処理の結果はbに格納される。引数にはすべて同じ長さのブールベクターを指定すること。
a内のすべてのt値がbでもt値ならt、それ以外はnilをリターンする。引数にはすべて同じ長さのブールベクターを指定すること。
iから始まるaの、bと等しい連続する要素の数をリターンする。aはブールベクターで、bはtかnil、iはaのインデックス。
ブールベクターaからtであるような要素の数をリターンする。
長さ8以下のブール値のプリント表記は1文字で表されます。
(bool-vector t nil t nil)
⇒ #&4"^E"
(bool-vector)
⇒ #&0""
他のベクター同様、vconcatを使用してブールベクターをプリントできます:
(vconcat (bool-vector nil t nil t))
⇒ [nil t nil t]
以下はブールベクターを作成、確認、更新する別の例です:
(setq bv (make-bool-vector 5 t))
⇒ #&5"^_"
(aref bv 1)
⇒ t
(aset bv 3 nil)
⇒ nil
bv
⇒ #&5"^W"
control-_の2進コードは11111、control-Wは10111なので、この結果は理にかなっています。