いくつかのオペレーティングシステムでは、それぞれのファイルを任意の拡張ファイル属性(extended file attributes)に関連付けることができます。現在のところEmacsは拡張ファイル属性のうち2つの特定セット(ACL: Access Control List、およびSELinuxコンテキスト)にたいする問い合わせと設定をサポートします。これらの拡張ファイル属性は、前のセクションで議論したUnixスタイルの基本的なパーミッションより洗練されたファイルアクセス制御を強制するために、いくつかのシステムで利用されます。
ACLとSELinuxについての詳細な解説はこのマニュアルの範囲を超えています。わたしたちの目的のためには、それぞれのファイルはACL (ACLベースのファイル制御システムの元でACLのプロパティを指定)および/またはSELinuxコンテキスト (SELinuxシステムの元でSELinuxのプロパティを指定)に割り当てることができるという理解で問題ないでしょう。
この関数はファイルfilenameにたいするACLをリターンする。ACLにたいする正確なLisp表現は不確定(かつ将来のEmacsバージョンで変更され得る)だが、これはset-file-acl
が引数aclにとる値と同じである(ファイルの名前と属性の変更を参照)。
根底にあるACL実装はプラットフォームに固有である。EmacsはGNU/LinuxとBSDではPOSIX ACLインターフェイスを使用して、MS-WindowsではネイティブのファイルセキュリティAPIをPOSIX ACLインターフェイスでエミュレートする。
ACLがサポートされていない、あるいはファイルが存在しなければリターン値はnil
。
この関数はファイルfilenameのSELinuxコンテキストを(user role
type
range)
という形式のリストでリターンする。リストの要素はそのコンテキストのユーザー、ロール、タイプ、レンジを文字列として表す値である。これらの実際の意味についての詳細はSELinuxのドキュメントを参照のこと。リターン値はset-file-selinux-context
がcontext引数で受け取るのと同じ形式(ファイルの名前と属性の変更を参照)。
SELinuxをサポートしない、あるいはファイルが存在しなければリターン値は(nil nil nil nil)
。
この関数はEmacsが認識するファイルfilenameの拡張属性をalistでリターンする。現在のところこの関数はACLとSELinuxの両方を取得するための便利な方法としての役目を果たす。他のファイルに同じファイルアクセス属性を適用するためにリターンされたalistを2つ目の引数としてset-file-extended-attributes
を呼び出すことができる(ファイルの名前と属性の変更を参照)。
要素のうちの1つは(acl . acl)
で、aclはfile-acl
がリターンするのと同じ形式。
他の要素は(selinux-context
. context)
で、contextはfile-selinux-context
がリターンするのと同じ形式。