たとえばメニューバーやツールバーの表示切り替え、デフォルトフォントの変更、フレームのスクロールバーの幅のセットの際には、Emacsはデフォルトではフレームのテキストエリアの行数と列数を未変更に保つように試みます。しかしこれはそのような場合のサイズ変更を調停するために、Emacsがウィンドウマネージャーにフレームのウィンドウのリサイズを依頼しなければならないことを意味します。
たとえばフレームの最大化や全画面化の際のように、そのような暗黙なフレームのリサイズ(implied frame resizing)がおそらく望ましくないケースもあります(デフォルトではオフになっている)。一般的には以下のオプションで暗黙のリサイズを無効にできます。
このオプションがnilならフレームのフォント、メニューバー、ツールバー、インターナルボーダー、フリンジ、スクロールバーを変更においてフレームのテキストエリアの列数と行数を維持するために、アウターフレームがリサイズされるかもしれない。このオプションがtならそのようなリサイズは行われない。
このオプションの値はフレームパラメーターのリストでもよい。この場合にはリスト内に出現するパラメーター変更にたいする暗黙のリサイズは抑制される。このオプションで処理されるフレームパラメーターは現在のところfont、font-backend、internal-border-width、menu-bar-lines、tool-bar-lines。
フレームパラメーターscroll-bar-width、scroll-bar-height、vertical-scroll-bars、horizontal-scroll-bars、left-fringe、right-fringeのいずれかにたいする変更は、あたかもそのフレームが単一の生きたウィンドウを含むかのように処理される。これはたとえば複数の横並びのウィンドウをフレームで垂直スクロールバーを削除すると、このオプションがnilならnilはスクロールバーの幅の分だけ縮小されて、tやvertical-scroll-barsを含む場合には未変更に保たれることを意味する。
Lucid、Motif、MS-Windowsのデフォルト値は(tab-bar-lines
tool-bar-lines)であり、これはツールバーやタブバーの追加や削除でアウターフレーム高さが変更されないことを意味する。GTK+を含むその他すべてのウィンドウシステムでは(tab-bar-lines)であり、これは上記リストのtab-bar-lines以外のパラメーターのいずれかを変更するとアウターフレームのサイズは変更されるかもしれないことを意味する。それ以外ではtであり、これはウィンドウシステムのサポートがなければ暗黙にアウターフレームのサイズが変更されることはないことを意味する。
フレームが上述のいずれかのパラメーターにたいする変更の調停に不十分な際には、たとえこのオプションが非nilでもEmacsがフレームの拡大を試みるかもしれないことに注意。
ウィンドウマネージャーは通常はエクスターナルメニューバーやエクスターナルツールバーが占有する行数の変更時にフレームのリサイズを要求しないことにも注意。典型的にはこのような“折り返し(wrappings)”はユーザーがフレームのメニューバーやツールバーのすべての要素を表示できないほどフレームを水平方向に縮小しや際に発生する。これはメニューバーやツールバーのアイテム数を変化させるようなメジャーモードの変更によっても発生し得る。このような折り返しはフレームのテキストエリアの行数を暗黙に変更するかもしれ、このオプションのセットによる影響を受けない。