メニューキーマップがメニューを生成する通常の方法は、それをプレフィクスキーの定義とすることです(Lispプログラムは明示的にメニューをポップアップしてユーザーの選択を受け取ることができる。ポップアップメニューを参照)。
プレフィクスキーがマウスイベントで終わる場合には、Emacsはユーザーがマウスで選択できるように可視なメニューをポップアップすることによってメニューキーマップを処理します。ユーザーがメニューアイテムをクリックしたときは、そのメニューアイテムによりもたらされるバインディングの文字やシンボルが何であれイベントが生成されます(メニューが複数レベルをもつ場合やメニューバー由来ならメニューアイテムは1連のイベントを生成するかもしれない)。
メニューのトリガーにbutton-downイベントを使用するのが最善な場合もしばしばあります。その場合にはユーザーはマウスボタンをリリースすることによってメニューアイテムを選択できます。
メニューキーマップがネストされたキーマップにたいするバインディングを含む場合、そのネストされたキーマップはサブメニュー(submenu)を指定します。それはネストされたキーマップのアイテム文字列によってラベル付けされれメニューアイテムをもち、そのアイテムをクリックすることによって指定されたサブメニューが自動的にポップアップされます。特別な例外としてメニューキーマップが単一のネストされたキーマップを含み、それ以外のメニューアイテムを含まなければ、そのメニューはネストされたキーマップの内容をサブメニューとしてではなく直接メニューに表示します。
しかしXツールキットのサポートなしでEmacsをコンパイルした場合、またはテキスト端末の場合にはサブメニューはサポートされません。ネストされたキーマップはメニューアイテムとして表示されますが、それをクリックしてもサブメニューは自動的にポップアップされません。サブメニューの効果を模倣したければ、ネストされたキーマップに‘@’で始まるアイテム文字列を与えることによってこれを行うことができます。これによりEmacsは別個のメニューペイン(menu pane)を使用してネストされたキーマップを表示します。‘@’の後の残りのアイテム文字列はそのペインのラベルです。XツールキットのサポートなしでEmacsをコンパイルした場合、またはメニューがテキスト端末で表示されている場合にはメニューペインは使用されません。この場合はアイテム文字列の先頭の‘@’は、メニューラベル表示時には省略されて他に効果はありません。