ウィンドウのフィールドには以下が含まれます(完全なリストはwindow.hのstruct window
を参照):
frame
そのウィンドウがあるフレーム(Lispオブジェクト)。
mini
そのウィンドウがミニバッファーウィンドウ、ミニバッファーかエコーエリアを表示しているウィンドウなら非0。
pseudo_window_p
¶そのウィンドウが疑似ウィンドウ(pseudo window)なら非0。疑似ウィンドウとはメニューバーかツールバーの表示に使用されているウィンドウ(自身のメニューバーやツールバーを表示しないツールキットをEmacsが使用している場合)、タブバー、またはツールチップフレーム上でツールチップを表示しているウィンドウのいずれか。一般的には疑似ウィンドウはLispコードからアクセスできない。
parent
Emacsは内部的にウィンドウをツリーにアレンジする。ウィンドウの兄弟グループは、そのエリアがすべての兄弟を含むような親ウィンドウをもつ。このフィールドはツリー内でのウィンドウの親をLispオブジェクトとして指す。これはツリーのルートウィンドウとミニバッファーウィンドウでは常にnil
。
親ウィンドウはバッファーを表示せず、子ウィンドウ形成を除いて表示では少ししか役割を果たさない。Emacs Lispプログラムは親ウィンドウを直接操作できない。Emacs Lispプログラムでは実際にバッファーを表示するツリーの子ノードのウィンドウにたいして操作を行う。
contents
リーフウィンドウ(leaf
window)およびツールチップを表示中のウィンドウでは、そのウィンドウが表示しているLispオブジェクトとしてのバッファー、内部ウィンドウ(“親”ウィンドウ)では最初の子ウィンドウ、メニューバーやツールバーを表示している疑似ウィンドウではnil
、削除されたウィンドウでもnil
。
next
prev
そのウィンドウの次の兄弟と前の兄弟(Lispオブジェクト)。自身のグループ内でそのウィンドウが右端か下端ならnext
はnil
。自身のグループ内でそのウィンドウが左端か上端ならprev
はnil
。兄弟が左右あるいは上下であるかは兄弟の親のhorizontal
フィールドで判断される。これが非0なら兄弟は水平に配置されている。
特別なケースとしてミニバッファーのみのフレームやミニバッファーなしのフレームでなければ、フレームのルートウィンドウのnext
は、そのフレームのミニバッファーウィンドウを指す。そのようなフレームのミニバッファーウィンドウのprev
は、そのフレームのルートウィンドウを指す。それ以外の場合にはルートウィンドウのnext
フィールド、および(もしあれば)ミニバッファーのprev
フィールドはnil
。
left_col
そのウィンドウの左端をウィンドウのネイティブフレームの最左列(列0)から相対的に数えた列数。
top_line
そのウィンドウの上端をウィンドウのネイティブフレームの最上行(行0)から相対的に数えた行数。
pixel_left
pixel_top
そのウィンドウの左側上端をウィンドウのネイティブフレームの左上隅(0, 0)から相対的に計測したピクセル数。
total_cols
total_lines
列数または行数で数えた、そのウィンドウの幅または高さの合計。値にはスクロールバーとフリンジ、ディバイダー、および/または(もしあれば)ウィンドウ右側のセパレーターラインが含まれる。
pixel_width;
pixel_height;
ピクセルで計測したウィンドウの幅または高さの合計。
start
そのウィンドウ内に表示されるバッファーで、ウィンドウに最初(ロジカル順。双方向テキストの表示を参照)に表示される文字の位置を指すマーカー。
pointm
¶これはウィンドウが選択されているときのカレントバッファーのポイント値。選択されていなければ前の値が保たれる。
old_pointm
最後の再表示時のpointm
の値。
force_start
このフラグが非nil
ならLispプログラムによりそのウィンドウが明示的にスクロールされたことを示し、再表示のためにウィンドウのstart
の値がセットされる。これはポイントがスクリーン外の場合の次回再表示に影響を与える。影響とはポイント周辺のテキストを表示するためにウィンドウをスクロールするかわりに、スクリーン上にある位置にポイントを移動するというものである。
optional_new_start
これはforce_start
と同様だが、次回表示ではポイントが可視の場合のみしたがう。
start_at_line_beg
非nil
はstart
のカレント値がウィンドウ選択時に先頭行だったことを意味する。
use_time
これはウィンドウが最後に選択された時刻。関数get-lru-window
はこの値を使用する。
sequence_number
そのウィンドウ作成時に割り当てられた一意な番号。
last_modified
前回のそのウィンドウの再表示完了時のウィンドウのバッファーのmodiff
フィールド。
last_overlay_modified
前回のウィンドウの再表示完了時のウィンドウのバッファーのoverlay_modiff
フィールド。
last_point
前回のウィンドウの再表示完了時のウィンドウのバッファーのポイント値。
last_had_star
非0値はウィンドウが最後に更新されたとき、そのウィンドウのバッファーが変更されたことを意味する。
vertical_scroll_bar_type
horizontal_scroll_bar_type
そのウィンドウの垂直スクロールバーおよび水平スクロールバーのタイプ。
scroll_bar_width
scroll_bar_height
そのウィンドウの垂直スクロールバーの幅および水平スクロールバーの高さ(ピクセル単位)。
left_margin_cols
right_margin_cols
そのウィンドウの左マージンと右マージンの幅。値0はマージンがないことを意味する。
left_fringe_width
right_fringe_width
そのウィンドウの左フリンジと右フリンジのピクセル幅。値−1はフレームの値の使用を意味する。
fringes_outside_margins
非0値はディスプレイマージン外側のフリンジ、それ以外ならフリンジはマージンとテキストの間にあることを意味する。
window_end_pos
これはz
から、そのウィンドウのカレントマトリクス内の最後のグリフのバッファー位置を減じて算出される。この値はwindow_end_valid
が非0のときだけ有効である。
window_end_bytepos
window_end_pos
に対応するバイト位置。
window_end_vpos
window_end_pos
を含む行のウィンドウに相対的な垂直位置。
window_end_valid
このフィールドはwindow_end_pos
およびwindow_end_vpos
が真に有効なら非0値にセットされる。これは重要な再表示が先に割り込んだ場合には、window_end_pos
を算出した表示がスクリーン上に出現しなくなるので0になる。
cursor
そのウィンドウ内でカーソルがどこにあるかを記述する構造体。
last_cursor_vpos
最後の再表示完了時にカーソルを表示していた行の、ウィンドウに相対的な垂直位置。
phys_cursor
そのウィンドウのカーソルが物理的にどこにあるかを記述する構造体。
phys_cursor_type
phys_cursor_height
phys_cursor_width
そのウィンドウの最後の表示でのカーソルのタイプ、高さ、幅。
phys_cursor_on_p
このフィールドはカーソルが物理的にオンなら非0。
cursor_off_p
非0はそのウィンドウのカーソルが論理的にオフであることを意味する。これはカーソルの点滅に使用される。
last_cursor_off_p
このフィールドは最後の再表示時のcursor_off_p
の値を含む。
must_be_updated_p
これはウィンドウを更新しなければならないとき、再表示の間は1にセットされる。
hscroll
これはウィンドウ内の表示が左へ水平スクロールされている列数。通常は0。カレント行だけが水平スクロールされている際には、カレント行がどれだけ左へ水平スクロールされているかを示す。
min_hscroll
set-window-hscroll
を通じてユーザーがセットするhscroll
の最小値(水平スクロールを参照)。カレント行だけが水平スクロールされている際には、カレント行以外の行がどれだけ左へ水平スクロールされているかを示す。
vscroll
ピクセル単位での垂直スクロール量。これは通常は0。
dedicated
そのウィンドウがそれのバッファー専用(dedicated)なら非nil
。
combination_limit
このウィンドウの組み合わせ限界は親ウィンドウにとってのみ意味がある。これがt
ならそのウィンドウの削除は許されず、そのウィンドウの他の兄弟と子ウィンドウを再組み合わせする。
window_parameters
そのウィンドウのパラメーターのalist。
display_table
そのウィンドウのディスプレイテーブル、何も指定されていなければnil
。
update_mode_line
非0はウィンドウのモードラインの更新が必要なことを意味する。
mode_line_height
header_line_height
モードラインおよびヘッダーラインのピクセル高さ、不明なら−1。
base_line_number
そのバッファーの特定の位置の行番号か0。これはモードラインでポイントの行番号を表示するために使用される。
base_line_pos
行番号が既知であるバッファー位置、不明なら0。これが−1なら、そのウィンドウがバッファーを表示するかぎり行番号は表示されない。
column_number_displayed
そのウィンドウのモードラインに表示されているカレント列番号、列番号が表示されていなければ−1。
current_matrix
desired_matrix
そのウィンドウのカレント、および望まれる表示を記述するグリフ。